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正規・非正規の待遇格差をなくせば日本の働き方は変わる

2018年10月24日(水)14時00分
舞田敏彦(教育社会学者)

稼ぐことを期待される男性では、不本意の非正規雇用者が多くなっている。同じ仕事なのに正社員との給与差が大きいのは腑に落ちない、願わくは正社員になりたい。こう思っている人は多いだろう。よく知られているように、正規と非正規では収入面で著しい格差がある<図2>。

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昨今、どの企業も人手不足だが、これらの人たちをすくうことはできないものか。まっさらの新卒ばかりに目が向けられるが、非正規とはいえ類似の職務を経験してきた人たちは即戦力として期待できる。

「非正規→正規」という流れの後押しばかりが目指されるが、その逆も起きるかもしれない。非正規がマジョリティになれば、長時間労働や責任の重圧に晒される正規雇用の働き方が疑問視されるようになる。AIの台頭で世の中の仕事は機械がやってくれるようになる。いっそ皆が非正規になって、ゆるい働き方をすればいいのではないか。

パート大国のオランダのように、正規・非正規の給与や社会保障の格差をなくせば、その方向に傾く人が出てくる。最近よく言われる「プチ勤務」「ちょい勤務」という言葉には、ネガティブな響きはない。

ちなみに国際統計では、正規・非正規という労働者の区分けはない。労働時間に依拠して、フルタイム・パートタイムという区分があるだけだ。上下関係を彷彿させる「正規・非正規」という言い回しを見直すことから始めてはどうだろうか。

<資料:総務省『就業構造基本調査』

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