温暖化でグリーンランドの氷が初めて分解
The Last Holdout Is Falling Apart
こうした変化がホッキョクグマに与える影響を、専門家は憂慮している。ワダムズによれば、ホッキョクグマがどれほど深刻な影響を受けているか、今はまだよく分からない。来年の春にホッキョクグマが冬眠から目覚める時期になれば、はっきりするという。
「ホッキョクグマはあまり遠くまで泳げない。氷が岸から遠くなれば、氷の上で餌を探すホッキョクグマは生きていけなくなってしまう」と、ワダムズは説明する。
8月20日、NASAはグリーンランド周辺の海域に探査装置を投入し、氷の融解と海面変動の調査を続けると発表した。この調査は16年から行われているものだ。「2年来の変化が今も続いているかどうか、氷がさらにグリーンランドの岸から離れているかどうかが分かるだろう」と、調査に参加しているNASAのジェット推進研究所(JPL)のジョシュ・ウィリスは言う。
研究チームは250個の探査装置を、海中約900メートルの深さに沈める。探査装置は深く沈みながら、温度や塩分濃度などを計測する。
その結果から、温度の上昇と氷の融解の影響が細かく判明することを、研究者たちは期待している。
[2018年9月18日号掲載]
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