最新記事

自撮り

キラウエア火山、危なすぎる自撮りが問題に

2018年6月26日(火)17時30分
松丸さとみ

溶岩近くで自撮りをしようする人が後を絶たたず厳罰化 (写真はニュースレポーターが接近した様子)Marco Garcia-REUTERS

<キラウエア火山から流れ出る溶岩近くで自撮りをしようする人が後を絶たず、州政府は、立入禁止区域に入り込むなどで有罪となった場合の刑罰を、場合によって最長は12カ月の禁固刑となるよう厳罰化したと発表した>

時速27キロで流れる溶岩

5月3日に始まって以来、いまだ火山活動が衰える気配のない米ハワイ州のキラウエア火山だが、燃え盛る溶岩を背景に自撮りをしようという観光客や住人があとを絶たない。危険極まりないこのような行動を抑制したいと、ハワイ州政府は頭を痛めている。

キラウエア火山は、「ビッグ・アイランド」とニックネームが付いているハワイ島の南東に位置する活火山で、周辺一帯は国立公園や州立公園に指定されている観光名所だ。しかし現在は溶岩が猛スピードで流れており、その周辺は立ち入り禁止区域になっている。

キラウエア火山の溶岩は最速で時速15マイル(約24キロ)とも、17マイル(約27キロ)とも言われている。英紙エクスプレスは、普通の人が走る速さは時速10〜15マイル(約16〜24キロ)程度なので、溶岩から走って逃げ切ることはできないだろう、と報じている。

科学系ニュースサイト「サイエンス・アラート」によると、吹き出したばかりの溶岩の温度は1200度に達する。また、溶岩が冷めて固まったとしても、その上を歩くと放射熱の影響で靴が溶けたり火がついたりする可能性がある、と注意を促している。

こうしたインスタグラムの写真もかなり危険だろう。



出頭命令は80人に達する勢い

ABCニュースは6月21日の時点で、自撮り目的などで溶岩に近づきすぎたことが理由で「ここ10日間で12人ほど、合計で50人近く」が逮捕されたり出頭命令を受けたりしたと伝えていた。

その後、数はさらに増え続け、ハワイ州政府は6月24日、出頭命令を出した人の数は合計で76人に達したと発表した。出頭命令の理由は、「徘徊」および「避難指示に従わないこと」だ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トルコでIS戦闘員と銃撃戦、警察官3人死亡 攻撃警

ビジネス

独経済団体、半数が26年の人員削減を予想 経済危機

ワールド

中国軍、台湾周辺で実弾射撃伴う演習開始 港湾など封

ビジネス

韓国クーパン、顧客情報大量流出で11.8億ドルの補
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中