「はやぶさ2」、3年半の宇宙航行を終え、小惑星リュウグウに到着
2018年6月29日(金)12時20分
しかし、コマ型の小惑星は自転が速いのが特徴であるにもかかわらず、リュウグウは比較的遅く、この点が謎として浮上している。
リュウグウは「そろばんの珠」のような、円錐の底部を上下に合わせたような形をしている (C) ONCチーム: JAXA、東京大学、高知大学、立教大学、名古屋大学、千葉工業大学、明治大学、会津大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所
また、リュウグウとの距離が近づき、その表面が鮮明になるにつれ、さらに多くの特徴も明らかになってきた。
ひとつはクレーターの存在で、いまわかっているだけでも大小さまざまなクレーターがいくつも見えている。一般的に、クレーターの数は表面年代にしたがって増加すると考えられている。つまりリュウグウはかなり昔から太陽系に存在し続けている小惑星の可能性がある。
ちなみに先代の「はやぶさ」が探査した小惑星「イトカワ」には、こうしたおわん形のクレーターはほとんど見られなかった。
もうひとつの特徴は、リュウグウが暗い天体ということである。じつは冒頭の写真などは、見やすいように色や明るさを補正したもので、実際のリュウグウは下の写真のように、とても暗い。
地球とリュウグウの露出を合わせた写真の比較。実際のリュウグウはとても暗い (C) ONCチーム: JAXA、東京大学、高知大学、立教大学、名古屋大学、千葉工業大学、明治大学、会津大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所
この暗さの理由は、炭素をたくさん含んでいるからだと考えられている。リュウグウはもともと、地上からの観測で、有機物などさまざまな化合物の形で炭素原子を含んでいる小惑星だと考えられていたが、それがよりはっきりしたことになる。
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