「はやぶさ2」、3年半の宇宙航行を終え、小惑星リュウグウに到着
しかし、コマ型の小惑星は自転が速いのが特徴であるにもかかわらず、リュウグウは比較的遅く、この点が謎として浮上している。
また、リュウグウとの距離が近づき、その表面が鮮明になるにつれ、さらに多くの特徴も明らかになってきた。
ひとつはクレーターの存在で、いまわかっているだけでも大小さまざまなクレーターがいくつも見えている。一般的に、クレーターの数は表面年代にしたがって増加すると考えられている。つまりリュウグウはかなり昔から太陽系に存在し続けている小惑星の可能性がある。
ちなみに先代の「はやぶさ」が探査した小惑星「イトカワ」には、こうしたおわん形のクレーターはほとんど見られなかった。
もうひとつの特徴は、リュウグウが暗い天体ということである。じつは冒頭の写真などは、見やすいように色や明るさを補正したもので、実際のリュウグウは下の写真のように、とても暗い。
この暗さの理由は、炭素をたくさん含んでいるからだと考えられている。リュウグウはもともと、地上からの観測で、有機物などさまざまな化合物の形で炭素原子を含んでいる小惑星だと考えられていたが、それがよりはっきりしたことになる。