最新記事

技能実習生 残酷物語

細野豪志「技能実習生制度を正当化はしていない」

2018年4月19日(木)17時32分
長岡義博(本誌編集長)、安田峰俊(ルポライター)

――ハードルは技能や日本語能力ということになるのか。

語学もそうだろう。技能はその人の能力や働く場所のマッチング。

――単純労働に来る人が最初から日本語能力が高いことは考えにくい。

もう1つの危機感は、今はできる選別ができない時代がいずれ来るかもしれない、ということ。間もなく移民獲得競争の時代に入るかもしれない。ハードルは必要だが、高過ぎると実際に必要な人を受け入れられない。バランスを見ながら考えるしかない。

――技能実習生制度をなくしても、外国人と働き先のマッチングをする機関は必要。最近、こういった機関の不祥事がよく報じられている。どうすれば「浄化」できるか。

基本的に雇う企業が採用を含めて責任を持つシステムがいいと思う。例えばこの(ブログの)企業はベトナムに行って、親にまで会って採用している。そうすることによってきちんと人として受け入れ、その後もフォローしているということだ。

――外国人労働者は法的な立場の弱さ故に、より厳しい労働環境に置かれる実情がある。彼らをどうやって保護すべきか。

労働者として受け入れること。それが、3年で終わりでなく、技能を身に付け給料も上がることにつながる。そして人として人権を尊重することだ。

――ハフィントンポストにも転載されたこのブログを書いて、批判はなかったか。

技能実習制度は、リベラルサイドから人権侵害で認めるべきではないと言われ、右のサイドからは外国人を入れることへの反発がいまだに根強い。両方から攻撃を受けやすく難しいが、日本社会の今後にとって重要で本質的な問題だ。

全体に保守層の感覚は変わってきているが、それは明らかに人が不足してきているから。あとはコンビニの効果。頑張って働いている外国人の姿を見て、好意的に感じている人も多い。ただ、目に見えない問題は相当大きいが。

【参考記事】ドイツ版「技能実習生」、ガストアルバイター制度の重い教訓


180424cover-150.jpg<ニューズウィーク日本版4月17日発売号(2018年4月24日号)は「技能実習生 残酷物語」特集。アジアの若者に日本の技術を伝え、労働力不足も解消する「理想の制度」のはずが、なぜ人権侵害が横行する「奴隷制」になったのか。気鋭のルポライターが使い捨て外国人労働者の理不尽な現実と、新たな変化を描く。この記事は特集より>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日米閣僚が会談、関税合意踏まえた経済連携強化を再確

ビジネス

インフレは依然高すぎる、政策変更は差し迫らず=米ク

ワールド

イラン空域制圧へ作戦順調、米が新指導者候補を複数検

ビジネス

米2月雇用、9.2万人減で予想外のマイナス 失業率
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だったはずの中国が、不気味なまでに静かな理由
  • 2
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 3
    10歳少女がライオンに激しく襲われる...中国の動物園で撮影された「恐怖の瞬間」映像にネット震撼
  • 4
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 5
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 9
    アルツハイマーを予防する「特効薬」の正体とは? …
  • 10
    「ハリポタ俳優で終わりたくない」...ハリー・メリン…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中