新作『スター・ウォーズ』は最新デジタル技術よりフィルム実写を選んだ
"Star Wars: The Last Jedi" screens on @IMAX #70MM #ReelFilm. See it at @SCIOWA at multiple times. https://t.co/X1vzzaQUVa pic.twitter.com/c05irPk2Uq
— Kodak Reel Film App (@kodakreelfilm) 2017年12月14日
さて、冒頭にも書いたように『最後のジェダイ』では、一部このIMAXカメラで撮影が行われている。前作『フォースの覚醒』でも10分間の映像がIMAXカメラで撮影されたことがファンの間で話題になった。
ここで上映にあたって問題になってくるのが上映時の画角比率である。実はIMAXデジタルで上映する場合、IMAXカメラで撮影された映像は映画館のスクリーンでは上下が切られて上映されてしまうのである。IMAXが1.43:1という独特な比率を持つと冒頭で書いたが、IMAXデジタルは1.94:1と、 IMAXカメラで撮影した映像と比べるとかなりワイドなイメージになってしまう。
残念ながら、現在日本でIMAXを導入しているほとんどの映画館はこの1.94:1比率のIMAXデジタルで、IMAX本来の映像は上下が切られてしまうが、大阪の109シネマズ大阪エキスポシティでは、本来のIMAX比率1.43:1でのIMAXデジタルレーザーと呼ばれる上映を行っている。上下がトリミングされた映像でなく、本来の画角で隅々まで見たいスター・ウォーズのファンは、わざわざ大阪まで足を運んだり、なかには海外のIMAX映画館まで見に行った強者もいるという。
デジタルvs.フィルムの闘い
スチルカメラの世界でデジタル化が進んだのと同様に、映画の世界も2000年代に入り、デジタル撮影が多くなった。スターウォーズシリーズも『エピソード1/ファントムメナス』でデジタル化が導入され、『エピソード2/クローンの攻撃』は全編デジタルで撮影された。
当時の映画業界の様子について俳優のキアヌ・リーブスが『サイド バイ サイド フィルムからデジタルシネマへ(原題:Side by Side)』(2002年)というドキュメンタリー映画を制作している。デジタル化が進む映画界にスポットを当てた作品は、70名以上の映画監督、撮影監督を含む映画関係者たちが、映画のデジタル化に関するインタビューを収録しており、さまざまな意見を見ることができる。
世界の映画館の90%以上がデジタル化され、撮影に関してコストも時間もかかるフィルムよりデジタル撮影が主流となっている。そのため、映画撮影用のフィルムを作っているのもイーストマンコダック1社しかない状況だ。そんな中、あえてフィルムにこだわるのはなぜなのか。それは多くの監督たちがフィルムで映画を撮ることにこそ価値があると考えているからだ。