子供を叩かないで! 体罰の影響を科学的に研究
一方で、体罰が子供に悪影響を与えることを示唆する研究は多数あるようだ。中でも、アフィフィ准教授とロマノ教授が記事中で「画期的な2つのメタ分析」と描写しているのは、いずれもテキサス大学オースティン校のエリザベス・ガーショフ准教授によるものだ。1つはガーショフ准教授がコロンビア大学で研究していた2002年に発表したもので、それより前の62年間にわたる88件の調査を分析している。そこでは、体罰は身体的な虐待となる恐れがあり、また子供の非行や反社会的な行動にも強いつながりがあると結論づけている。
体罰が攻撃性や反社会的行動に
そして、さらに拡大させた調査が2016年に発表されている。13年間におよぶ75件の調査を分析したもので、そこでも、叩くことで子供の振る舞いが改善された証拠は見つからなかったとし、逆に体罰が13種類もの有害な結果を引き起こすと結論づけている。有害な結果には、攻撃性、反社会的行動、心の問題、親とのネガティブな関係などが含まれる。
こうしたことから、子供や思春期の青年たちをしつけるために叩くという行為は決してするべきではない、と教授らは述べている。また、肯定的な子供のしつけ方を親が実践できるように支援する必要があるとしている。現在カナダでは、自宅訪問イニシアチブや、地域社会や小児科での介入の効果について調査が行われているという。