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フランス大統領選でもはびこる偽ニュース 次はドイツ標的か

2017年4月23日(日)11時44分


ロシアはドイツにシフト

「『ボット』と呼ばれる自動投稿システムによる、ロシアからのアカウントとみられるトランプ支援グループは、すでにドイツに移っている」とワッツ氏は語る。「トランプ支持者アカウントの約3分の1は、今度はドイツ総選挙に影響を与えようとしているようだ」

今週発表された別の民間調査でも、ソーシャルメディアにおける偽ニュースと本物のニュースの割合は、今回のオックスフォード大学による調査結果と同程度の割合だった。そうした偽ニュースの大半は「ロシアの影響を受けた」ソースから来ていると、同調査は指摘している。

オックスフォードの研究者らによると、昨年11月の米大統領選投票日を控えた数日間のソーシャルメディア上のトラフィックを調査した結果、ミシガン州の有権者は、同程度の偽ニュースと正しいニュースを互いにシェアしていた。

一方、それほど対立的ではなかった今年2月のドイツ大統領選における直前調査では、偽ニュースと本物のニュースの割合は1対4だったという。

「概して、米国の有権者は、国政選挙前の肝心な時期に、主要政策の公開討議について非常に質の悪いニュースや情報をシェアしていた」と、オックスフォード大学インターネット研究所のフィリップ・ハワード所長は語った。「ドイツとフランスの有権者はいずれも、シェアしたジャンクニュースの量はそれよりずっと少ない」

(Mark Hosenball記者、Joseph Menn記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

[東京 23日 ロイター]


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