早稲田大学ビジネススクールの魅力は、多様性の中でグローバルな経験を積める環境
多様性を体得できる様々な取り組み
では早稲田大学ビジネススクールの修了後は、どのようなキャリアビジョンが考えられるのだろうか。「MBAを取り巻く日本の状況はアメリカとは異なり、MBAを取得したからといってすぐに給料が跳ね上がるというわけではありません。WBSで実務に直結する力を身に付け、卒業後、所属企業でキャリアアップを実現する人が多い。」と岸氏が話すように、多くの人は現在勤務している企業でキャリアを積み重ねていく。
しかし、中にはWBSとシンガポールのトップ校であるナンヤンビジネススクールの両校のMBAを取得できる「早稲田‐ナンヤン ダブル MBA プログラム」を修了し、転職したIT企業で世界中を飛び回るという華麗なキャリアチェンジを実現した人もいる。
日本のビジネススクールの弱みとされる多様性に関しても、様々な取り組みが行われている。例えば、日本の社会人が多い夜間プログラムの学生と、留学生が7割を占める昼間プログラムの学生の両方が履修できる日英科目というものがある。これは日本語と英語の両方で授業が行われ、土曜日にも設置されている。
留学生といっても、中国やタイ、シンガポールといった母国での実務経験が2~3年以上ある人がメインなので、多様性に富んだ環境の中でディスカッションなどを経験することができる。
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このほか、海外集中授業では、世界各国の都市で1週間程度の短期集中型の授業を開講。夜間プログラムの学生が参加しやすいように、まとまった休暇が取りやすい夏期などに実施されている。また最近では、夜間プログラムの学生でも、提携先の海外のビジネススクールへ積極的に留学するケースが増えている。
交換留学という形を取るため、留学先大学に新たに授業料を払う必要はなく(渡航費や滞在費などは別途必要)、WBSへ学費を納めることでフランスのリヨン経営大学院やアメリカのUCLA経営大学院といった名門校で学ぶことができる。
もちろん、こうした取り組みは学生のネットワークにも反映される。「早稲田大学は留学生が多く、実はWBSの英語の科目以外に、早稲田大学の英語の科目も履修することができる。夜間のプログラムであっても、本当の意味での多様性に触れ、グローバルな視点を身につけられる環境が整っている。」と、岸氏は話す。国内のビジネススクールではグローバルな人材を育成しにくいという指摘もあるが、WBSは独自の取り組みによってそうしたニーズに応えている。