最新記事

キャリアアップ特集

早稲田大学ビジネススクールの魅力は、多様性の中でグローバルな経験を積める環境

2017年2月20日(月)14時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

多様性を体得できる様々な取り組み

では早稲田大学ビジネススクールの修了後は、どのようなキャリアビジョンが考えられるのだろうか。「MBAを取り巻く日本の状況はアメリカとは異なり、MBAを取得したからといってすぐに給料が跳ね上がるというわけではありません。WBSで実務に直結する力を身に付け、卒業後、所属企業でキャリアアップを実現する人が多い。」と岸氏が話すように、多くの人は現在勤務している企業でキャリアを積み重ねていく。

しかし、中にはWBSとシンガポールのトップ校であるナンヤンビジネススクールの両校のMBAを取得できる「早稲田‐ナンヤン ダブル MBA プログラム」を修了し、転職したIT企業で世界中を飛び回るという華麗なキャリアチェンジを実現した人もいる。

日本のビジネススクールの弱みとされる多様性に関しても、様々な取り組みが行われている。例えば、日本の社会人が多い夜間プログラムの学生と、留学生が7割を占める昼間プログラムの学生の両方が履修できる日英科目というものがある。これは日本語と英語の両方で授業が行われ、土曜日にも設置されている。

留学生といっても、中国やタイ、シンガポールといった母国での実務経験が2~3年以上ある人がメインなので、多様性に富んだ環境の中でディスカッションなどを経験することができる。

wbs170220-03.jpg

実務と学問のバランスが配慮された教員構成への評価も高い(写真提供:WBS)

【参考記事】「使えるファイナンス」をもつ人材が日本に足りない

このほか、海外集中授業では、世界各国の都市で1週間程度の短期集中型の授業を開講。夜間プログラムの学生が参加しやすいように、まとまった休暇が取りやすい夏期などに実施されている。また最近では、夜間プログラムの学生でも、提携先の海外のビジネススクールへ積極的に留学するケースが増えている。

交換留学という形を取るため、留学先大学に新たに授業料を払う必要はなく(渡航費や滞在費などは別途必要)、WBSへ学費を納めることでフランスのリヨン経営大学院やアメリカのUCLA経営大学院といった名門校で学ぶことができる。

もちろん、こうした取り組みは学生のネットワークにも反映される。「早稲田大学は留学生が多く、実はWBSの英語の科目以外に、早稲田大学の英語の科目も履修することができる。夜間のプログラムであっても、本当の意味での多様性に触れ、グローバルな視点を身につけられる環境が整っている。」と、岸氏は話す。国内のビジネススクールではグローバルな人材を育成しにくいという指摘もあるが、WBSは独自の取り組みによってそうしたニーズに応えている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ和平交渉が2日目に、ゼレンスキー氏と米特

ビジネス

中国万科、償還延期拒否で18日に再び債権者会合 猶

ワールド

タイ、2月8日に総選挙 選管が発表

ワールド

フィリピン、中国に抗議へ 南シナ海で漁師負傷
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中