最新記事

ニュース接触

日本人のニュースメディア接触、「非ソーシャル」で「受動的」

2016年11月22日(火)14時30分
田中善一郎(メディア・パブ)

aluxum-iStock

<英ロイターは、世界各国のオンライン・ニュース・ユーザーを対象にメディア接触の傾向を調査した。そのレポートによると、日本人のメディア接触は、他国に比べ、あまりソーシャルメディアを介しておらず、最も受動的であることがわかった>

 日本人のメディア接触は受動的で非ソーシャルである。

 英ロイター(Reuters Institute)は、26か国のオンライン・ニュース・ユーザーを対象に年初に実施したメディア接触調査で、そのようにレポートしていた。さらにそのレポートを補完する形でロイターは、同じ調査を今年4月に、香港、シンガポール、台湾、マレーシアのアジア4国でも実施し、このほど「REUTERS INSTITUTE DIGITAL NEWS REPORT 2016 - ASIA-PACIFIC SUPPLEMENT」としてまとめた。そのレポートでも、これらアジア4国と比較しても、日本人のメディア接触が最も受動的で非ソーシャルであると見ている。

 今回の調査レポートでは、年初に実施した日本、米国、英国、韓国、オーストラリアの調査結果とも比較しており、アジア4国の消費者のメディア接触の特徴を明らかにしている。今回対象としたアジア4国もネットがかなり普及している国々で、普及率は香港が81%、シンガポールが82%、台湾が84%、マレーシアが68%となっている。今回も前回同様、YouGovが調査を行った。

ソーシャルメディアを介してのニュース接触、アジア4国は日本以上に盛ん

 アンケート結果からいくつか拾って紹介する。まず、この1週間でニュース情報をどのメディアから入手したかを質問し、複数回答させた結果から見ていこう。利用メディアとしては、TV、プリント(新聞、雑誌など)、オンライン(ソーシャルメディアを含む)、ソーシャルメディアの4種。図1がその結果。アジア4国が日米英よりも、オンラインでニュースを入手している割合が高くなっていたことが目についた。またソーシャルメディアを介してニュースと接触する人の割合を比較すると、日本が42%とアジア4国を含めた9国の中で最も低かった。

ReutersAsiaSourcesofNews1.png

図1 ニュース情報の入手メディアは?(複数回答)。アジアの4国は、オンラインでニュース情報を入手している人の割合が日本よりも高い。過去1週間でオンラインニュースに接触した回答者の割合は、台湾が90%、マレーシアが88%、シンガポールと香港が84%に対して、日本は72%であった。ソーシャルメディアだけに絞ると、台湾が55%、マレーシアが69%、シンガポールが59%、香港が42%に対して、日本は31%。 

 オンラインシフトが先行している米英や日本で、アジア4国よりもプリントメディアの利用者の割合が低くなっているが、TVの利用率はそれほど低くなっていない。TVのニュース番組が充実しているからか。米国ではCNNやFox Newsのような強力な24時間ニュース番組が存在するし、英国では巨大なBBCを擁している。

 次の図2は、この1週間でニュース情報の接触で最もよく利用したメディアを一つだけ答えさせた時に、オンラインと答えた人の割合を示している。35歳以下と35歳以上とに分けた。ここでも意外だったのは、日本の35歳以下の若い人たちで主要メディアとしてオンラインを利用している割合が58%と、9国の中で最も低かったことだ。

ReutersAsiaOnlineSourcesNews.jpg

図2 主要ニュースソースがオンラインメディアと答えた人の割合。35歳以下の若い回答者でオンラインを主要ニュースソースとしている割合は、シンガポールが72%、香港が64%、台湾が62%、マレーシアが62%に対して、日本は58%。ちなみに韓国は73%。

.

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米政権、TSA職員9400人超削減を提案 予算15

ワールド

ゼレンスキー氏、エネインフラ巡る停戦案を堅持 ロシ

ビジネス

米国株式市場=上昇、トランプ氏発言と米・イラン協議

ビジネス

NY外為市場=ドル安定的、円相場160円に接近 中
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 4
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 5
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 6
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 7
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 10
    スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のア…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 3
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 4
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 9
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 10
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中