最新記事

人工知能

ウーバーはどのように人工知能テクノロジーを活用しているのか

2016年9月27日(火)11時45分
Team Nelco (Nissho Electronics USA)

Kai-REUTERS

<シェアリングエコノミーを代表するウーバー(Uber) は、タクシー会社のように見えるため、テクノロジー企業という印象が薄い。しかし、その実態は多くのエンジニアを抱えるテクノロジー企業だ。ビッグデータ解析や人工知能をいかに活用しているのか...>

 先日の記事、Airbnbは、どのように人工知能を活用しているのか? では、テクノロジー企業という印象が低い、Airbnbの人工知能の利用の取り組みをご紹介しました。今回は、ウーバーの取り組みをご紹介します。Airbnbと同様に、シェアリングエコノミーを代表する企業です。日本では法律の問題上、アメリカと同じビジネスの展開が難しいので、実際にどのようなサービスを提供されているかがあまり知られていません。

【参考記事】「タクシー業界の敵」で「破壊的」なUberとは

 また、ただのタクシー会社のように見えるため、テクノロジー企業という印象が薄いかもしれません。 しかし、実態は多くのエンジニアを抱えるテクノロジー企業です。先月(2016年8月)には、自動運転タクシーの試験運用を始めました。今回は、ウーバーが、代表的サービスのウーバープールにおいてどのようにテクノロジーを活用しているかをご紹介します。

世界各地で使われるウーバープール

uber-pool.jpg

 ウーバーは、2014年からウーバープールという相乗りサービスを提供しています。同じ方向に向かう人たちが相乗りさせることで、料金が低価格で抑えられる仕組みです。つまり見知らぬ人が途中で自分の車に乗り込んできます。 この驚くべき仕組みは、シリコンバレーやパリなどの世界各国で使われています。

 ウーバーのコファウンダーのTravis Kalanickは、TED2016にて、ウーバープールの成果をプレゼンテーションしています。ロサンゼルスでは、最初の8ヶ月間で1260万キロ(790万マイル)の自動車の移動を削減しました。サンフランシスコでは、市街地での交通量を減らすことができ、より少ない車で、より多くの人を輸送できるようになったと述べています。ウーバープールは、世界中の都市部の交通問題を解決するポテンシャルがあるのです。

uber-tedtalk.gif

ウーバープールの開始前と開始後のサンフランシスコの交通量。Uber Engineering Blogより

 日本ではウーバーはまだまだハイヤーの配車サービスで、高価格なイメージが強いようですが、誰もが使う安価なサービスとなっています。もともとタクシーよりも数十%以上安かったのですが、ウーバープールを使えばさらに安くなります。数キロの移動が5ドル程度で済む場合もあり、ウーバープールでは2人まで乗車できるため、バスとほとんど変わりません。短距離であれば、タクシーやバスを使う気になりません。
参考: Uber's plan to get more people into fewer cars | TED Talk

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など

ワールド

アングル:失言や違法捜査、米司法省でミス連鎖 トラ

ワールド

アングル:反攻強めるミャンマー国軍、徴兵制やドロー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 5
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 6
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 7
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 8
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中