石炭ブーム終焉で中国の地方を襲う地盤沈下、膨らむ経済負担
炭鉱会社は、住民移住や土地回復のための費用をほとんど出していない。当初の計画ではその予定だった。
炭鉱会社は炭鉱を閉める際に「沈下料」を払う必要がある。国有の炭鉱会社で唯一、四半期報告を提供した大同煤業<601001.SS>の場合は、1─3月期の間にそのような費用としてわずか140万元を支払っただけだった。これは全費用の0.04%にすぎない。
太陽光発電で解決
山東省のJiang Jian議員は、炭鉱会社がいくら支払うべきかを決めるため、中国当局は事細かな対策を練る必要があると指摘する。
同議員によれば、最も被害を受けた現場の多くは長い間放置されており、誰に責任があるかを特定するのも困難な状況であるため、中央政府は、炭鉱廃棄物の処理を含む回復費用に役立てるための基金を設立する必要があるという。
改善策として、中国は放置された炭鉱跡地を、風力・太陽光発電プロジェクトに変えるよう土地開発業者に奨励している。今年1─6月、同国で太陽光発電が占める割合はわずかに0.6%、風力発電は3.6%だった。
山西省大同市の郊外にある炭鉱跡地で農業には適さない場所に、太陽光発電の実証プロジェクトが完成した。
かつて炭鉱で栄えた同地域には1000以上の炭鉱が存在したが、石炭価格が暴落した後、採炭は停止され、地域経済は大きく落ち込んだ。
「われわれが来る前は、この土地はどのような植栽にも適さなかった。だが今では、少なくとも一部の土地では可能となった」と、当地に100メガワットの太陽光発電所を保有し運営する聯合光伏集団<0686.HK>のプロジェクトマネジャー、He Xin氏は語った。
(David Stanway記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)