最新記事

中国

石炭ブーム終焉で中国の地方を襲う地盤沈下、膨らむ経済負担

2016年8月17日(水)18時22分

 炭鉱会社は、住民移住や土地回復のための費用をほとんど出していない。当初の計画ではその予定だった。

 炭鉱会社は炭鉱を閉める際に「沈下料」を払う必要がある。国有の炭鉱会社で唯一、四半期報告を提供した大同煤業<601001.SS>の場合は、1─3月期の間にそのような費用としてわずか140万元を支払っただけだった。これは全費用の0.04%にすぎない。

太陽光発電で解決

 山東省のJiang Jian議員は、炭鉱会社がいくら支払うべきかを決めるため、中国当局は事細かな対策を練る必要があると指摘する。

 同議員によれば、最も被害を受けた現場の多くは長い間放置されており、誰に責任があるかを特定するのも困難な状況であるため、中央政府は、炭鉱廃棄物の処理を含む回復費用に役立てるための基金を設立する必要があるという。

 改善策として、中国は放置された炭鉱跡地を、風力・太陽光発電プロジェクトに変えるよう土地開発業者に奨励している。今年1─6月、同国で太陽光発電が占める割合はわずかに0.6%、風力発電は3.6%だった。

 山西省大同市の郊外にある炭鉱跡地で農業には適さない場所に、太陽光発電の実証プロジェクトが完成した。

 かつて炭鉱で栄えた同地域には1000以上の炭鉱が存在したが、石炭価格が暴落した後、採炭は停止され、地域経済は大きく落ち込んだ。

「われわれが来る前は、この土地はどのような植栽にも適さなかった。だが今では、少なくとも一部の土地では可能となった」と、当地に100メガワットの太陽光発電所を保有し運営する聯合光伏集団<0686.HK>のプロジェクトマネジャー、He Xin氏は語った。

 (David Stanway記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米商務省、中国製ドローン規制案を撤回 トランプ氏訪

ビジネス

米政権が刑事訴追警告とパウエル氏、利下げ圧力強化の

ワールド

イラン抗議デモで死者500人超、トランプ氏「強力な

ビジネス

トランプ氏、ベネズエラ投資巡りエクソン排除示唆 C
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 10
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中