ジャーナリストへの情報提供者に忍び寄るベネズエラ諜報機関
NGOエスパシオ・プブリコの代表カルロス・コレアは、これをより大規模な反ジャーナリストの流れの一部だと見ている。
"最近では、治安部隊がリポーターの携帯を取り上げ、プライバシーを侵害してリポーターの取材した内容を消去して仕事をさらに困難にすることは当たり前になっている。憲法で定められた権利がまったく尊重されない。このようなハラスメントがはびこる中でジャーナリストの仕事はますます困難になっている。
適正な捜査手続きを踏まえない違反だけでも十分気がかりだが、この問題が実際にあらわにしているのは、明確に憲法28条で保護されているジャーナリストの情報提供者を守る義務への明らかな迫害だ。しかもそれだけではない。ジャーナリストの倫理規定では、ジャーナリストは「いかなる状況においても職業上の秘密を暴露してはならない」と定められている。
倫理規定18条はその点について「ジャーナリストは、情報提供者がその身元を隠すことを要求した場合、いかなる状況においてもそれを明らかにしてはならず、情報提供者の判断を尊重し、あらゆる圧力を拒絶しなければならない」と明確に示している。
政府の反応はどうだろうか?護民官(人民オンブズマン)タレク・ウィリアム・サアブは事件に対しては反対、ただしジャーナリストの情報提供者保護の原則については賛成の立場を示した。他方、ディオスダド・カベジョ*は自らのテレビ番組の中で、当局への協力を拒むジャーナリストたちを攻撃した。
"情報源を暴くために数人のジャーナリストを違法に拘束したと言われる件で、不満の声があがっていますが... このテロとヘイトスピーチの時代、考え直してみるのも重要でしょう。第一に、ベネズエラのジャーナリストが国家や国家機関の安全保障に関わる捜査に協力を求められているときに、いったいジャーナリストの情報源の秘匿はどこまで可能か、という点。第二に、人々の一般的な利益がかかっているようなケースではジャーナリストの責任はどうなるのか、という点。第三に、他の人々の命に関わるような事件において、ジャーナリストが情報源の秘匿を理由に情報を提供しないことが本当に義務といえるのか、という点です。単なる思いつきですがね。
おぉぉ、この人に倫理について説教されるとか、最高だね!
*訳注 ディオスダド・カベジョは現在は政府の重要ポストにはついていないが、ベネズエラ政府の影のドンともフィクサーとも言われ、麻薬密売組織「太陽のカルテル」の主要人物と目されている。