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サイエンス「エイリアンの作った超巨大構造?」を調査するプロジェクトが資金集めに成功
恒星の周りを回る超巨大構造物のイメージ Photo credit: Kevin M. Gill / CC BY-SA
<天文学者たちを悩ませてきた変光星KIC 8462852。エイリアンが建造した超巨大構造が恒星の周りを回っているという説を提唱する科学者もいるが、この謎を解くためのプロジェクトがクラウドファンディングに成功した>
宇宙には、私たち人類がまだ解明できていない謎が溢れている。その1つが、「KIC 9462852」だ。これは、地球から1480光年離れたところに存在する連星である。太陽より少し大きくて熱い主星と、暗い赤色矮星の伴星がお互いの周りを回っている。
KIC 9462852が注目されるようになったきっかけは、米エール大学のタベサ・ボヤジアン氏らがケプラー宇宙望遠鏡のデータを元に発表した論文だ。KIC 9462852の主星からの光は不規則な間隔で15〜22%減光するように見え、これは今までの変光星のパターンとは大きく異なっているという。木星並みの巨大惑星がKIC 9462852を横切ったとしても、減光はせいぜい1%にすぎないのだ。
減光の原因としては、望遠鏡の不具合や大量の彗星の残骸などの説が出されているが、「エイリアンの作った超巨大構造物」説を主張する天文学者もいる。
突拍子もない話に聞こえるかもしれないが、恒星の周りを回る超巨大構造物というアイデアには元ネタがある。1960年にアメリカの物理学者、フリーマン・ダイソンが唱えた「ダイソン球」だ。高度に発達した文明は、恒星からのエネルギーを最大限に活かすため、恒星を人工構造物ですっぽり覆ってしまうというのである。
ダイソン球のような超巨大構造物(殻のようにすっぽり恒星を覆っていないにしても)がKIC 9462852の主星の前を横切った時に光が遮られるのではないかというわけだ。ちなみに、[NASAは彗星の群れが原因だという説]を採っているが、その場合は[半径200kmの彗星が64万8000個も列をなして通過しなければならないという反論]も出ている。
エイリアンの超巨大構造物ではないにしても、これまでに知られていない現象が起こっていることは確からしい。
結局、KIC 9462852は何なのか? これを明らかにするためには、さらに継続してKIC 9462852を観測する必要があるが、いつ起こるかわからない減光現象を観測するために予算を確保するのは難しい。
そこで、KIC 9462852について最初に発表したTabetha Boyajian氏らは、ラス・クンブレス天文台グローバル望遠鏡を確保してKIC 9462852を観測するプロジェクトを立ち上げ、[Kickstarterでクラウドファンディング]を行った。2016年6月、プロジェクトは目標額の10,000ドルを達成している。
KIC 9462852の正体を楽しみに待ちたい。