規制緩和や法整備が、ITと金融を融合したサービス「フィンテック」の成長を育み、日本の金融のあり方を変える可能性がある、との期待が高まっている。

 政府は今国会に提出した銀行法改正案の成立を目指しており、関連するベンチャー投資なども拡大が予想される。官民の未知の世界への挑戦はまだ始まったばかりだ。

 厳しい規制、リスク回避の傾向の強い国民性──これらが日本におけるフィンテック発展の足かせになってきたとされる。

 しかし、そんな日本をよそに、海外を見渡すとその違いは明らかだ。

 たとえば、フィンテック関連のスタートアップ企業は昨年、中国で27億ドルの資金を調達した(CBインサイト・データ調べ)。インド、米国ではそれぞれ、15億ドル、74億ドルだった。

 日本はどうか──。2015年1─9月期、わずか4400万ドルにとどまった。

焦る当局

 国外でフィンテックをめぐる資金が桁違いで動く一方、新たな経済活動や技術の潮流から離された日本だが、政府は銀行法改正案の今国会成立を目指している。早ければ、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)までの成立が目標だ。

 金融機関が、ベンチャーを含む事業会社に出資する際は、銀行が5%、銀行持ち株会社が15%までに比率が制限されている。しかし、これを緩和し、新たな技術の開発・採用に柔軟に取り組める基盤を整える。

 金融庁の担当者は「今回の法律はゴールではなく、はじめの一歩(ファーストステップ)」と期待する。