最新記事

アフリカ難民

数百人の命を救うドローン

2015年4月23日(木)19時39分
コナー・ギャフィー

 ドローンの商業利用にはさまざまな規制がかけられている。アメリカでは、ドローンを飛ばすには、連邦航空局(FAA)の許可が必要で、許可が下りるには最高60日かかる。

 ヨーロッパでは、飛行目的などに応じて欧州航空安全庁(EASA)、国際民間航空機関(ICAO)、さらには各国の民間航空規制当局の許可が必要な場合があり、一律のルールはない。

 メジャーの調査チームは、緊急時に人道支援や救助活動を行う非営利組織(NPO)に即座に許可が下りるよう特例的な措置が必要だと提言している。

 近年では、ドローンに限らず、災害時に遠隔操作のレスキューロボットの活躍が目立つようになった。9・11同時多発テロや11年に東南アジアで6000人以上の死者を出した台風「ハイヤン」など、すでに35件の災害や事故対応に航空、海洋、地上用ロボットが投入されている。

 10年に起きたハイチ地震では、救援船が接岸できるよう、海底の瓦礫の撤去に小型の無人水中探査機が利用された。

 海上の石油プラットフォームで作業員の転落事故を監視するため、ドローンを活用するアイデアもあり、メジャーはテストを行っている。

 アメリカ赤十字は引き続き人道支援活動におけるドローンの用途を調査し、導入を検討する意向だ。「災害の予防と対応で赤十字の活動を改善するドローンの活用法を探ること」が調査の目的だと、広報担当は語った。「ドローンに限らず、災害対応チームにより正確な情報を提供し、より多くの人を、より迅速に援助できるようにする手段であれば何であれ、さらに詳しく調査する価値がある」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:トランプ関税でナイキなどスポーツ用品会社

ビジネス

中国自動車ショー、開催権巡り政府スポンサー対立 出

ビジネス

午後3時のドルは149円後半へ小幅高、米相互関税警

ワールド

米プリンストン大への政府助成金停止、反ユダヤ主義調
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 9
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 10
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中