韓国が輸出する超小型犬の悲劇
書類偽造し幼い犬を販売
法を犯して韓国から子犬を輸入するのは、アンダーソンだけではない。12年にはカリフォルニア州の業者ジンジャー・トゥルクが子犬の健康診断書で獣医師のサインを偽造したとして有罪判決を受けた。彼の輸入した韓国産の子犬の多くは、購入した飼い主の元に送られる途中、排泄物を介して蔓延しやすい犬パルボウイルス感染症で死んだという。
当時トゥルクの会社は、韓国国外への子犬輸出で韓国最大規模のオンラインショップと称する「ジュン・パピークラブ」の商品をアメリカで独占的に扱っていると、ウェブサイトでうたっていた。
そこで、ジュン・パピークラブに尋ねてみた。韓国から輸出された子犬がパルボウイルスで死んだ場合、韓国の会社の責任になるのか、と。同社を経営するジュン・ミンスは、韓国の空港の厳密な検疫を考えればそんな事態は「あり得ない」と回答した。
韓国がティーカップ犬の輸出大国になる以前から、メキシコやロシア、ハンガリーなどの国々では幼過ぎる子犬を輸入することに懸念が持ち上がっていたと、アメリカ動物愛護協会は指摘する。「子犬は幼いほど高値で売れる。生後4週間ほどの子犬が6〜8週と称して売られているとみられる」と、パピーミル問題の責任者キャスリーン・サマーズは言う。
米疾病対策センター(CDC)は今年5月、輸入される子犬のうち、狂犬病予防接種の証明に不備があるものが増えていると警告を発している。ロサンゼルス国際空港で行われた獣医師による抜き打ち検査でも、40%の子犬の書類で偽造が見られた。子犬はどれも生後8週間以内で、まだ歯も生えていなければ効果的な予防接種も受けられないほど幼かったという。
リッチな人々にアクセサリー代わりに愛されるティーカップ犬の境遇は、セレブとは程遠いようだ。
From GlobalPost.com特約
[2014年7月15日号掲載]