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スキャンダルIMFセックス疑惑、妻が語る意外な本音
性的暴行疑惑で転落した元IMF専務理事ドミニク・ストロスカーンの妻アン・シンクレアが、8カ月の沈黙を破って激白
夫婦愛? 性的暴行疑惑で転落した夫ストロスカーン(右)を、シンクレアは支え続けてきた(写真は2011年7月、ニューヨーク) Lucas Jackson-Reuters
屈辱と世間の好奇の目にさらされながらも、アン・シンクレアは沈黙を貫いてきた。夫でIMF(国際通貨基金)専務理事だったドミニク・ストロスカーンのスキャンダルが浮上したのは昨年5月。マンハッタンのホテルのスイートルームで32歳の女性従業員に性的暴行を加えたとして、逮捕・訴追されたのだ(後に起訴は取り下げられた)。
以後8カ月にわたり、シンクレア(フランスでは美貌と知性を兼ね備えた著名テレビジャーナリストとして知られる)は1度も取材に答えることなく過ごしてきた。
そんなシンクレアがこのほど、ジャーナリズムの世界に戻ることを決意した。アメリカのニュースサイト、ハフィントン・ポストのフランス版が1月23日からスタートするにあたり、その編集長を務めることになったのだ。復帰を前に、シンクレアはついに沈黙を破った。フランスのファッション誌「エル」のインタビューでは、夫のスキャンダルを始め、さまざまなことについて語っている。
ベテランのジャーナリストであるシンクレアは、なぜ夫のスキャンダルがここまで注目を集めたのか、十分理解している。それでも、容赦ないメディアからの攻撃を受けた自分たちも「暴行」されたと、彼女は語った。「私生活を徹底的に調べ上げられ、世界中にさらされるのはこんなにつらいものかと思い知った」とシンクレアは語る。
「夫の事件でも報道する」
驚くべきは、ニューヨークのメディアがタブロイド紙さながらに過熱報道を繰り広げたにも関わらず、シンクレアがアメリカのジャーナリズムを称賛したことだ。「アメリカにも低俗な新聞はあるし、プライバシーの侵害だってある。でも主要メディアはレベルが高く、正確で仕事熱心だ」
とりわけ米ニューヨーカー誌は、25人の「事実チェック要員」を雇って、記事中に出てくるセーターの色まで正確に確認していたと褒めちぎった。それにひきかえ、フランスのメディアは「怠惰で、鋭さと正確さに欠けている」と言う。
夫がIMFの職を失い、政界でつまずくようなことがなければ、自分が今回のハフィントン・ポストの仕事に就くこともなかっただろう――シンクレアはそう語る。
しかし今後、例えばフランスの高級ホテルでの買春パーティーにストロスカーンの関与が疑われている件について記事で追及すべきだ、と部下が提案してきたらどうする?
そう問われると、シンクレアはどんな話題でも取り上げるつもりだと答えた。「その場合、私が記事を書く、とは言わないけれど......できる限りプロフェッショナルなやり方で報道する」
シンクレアがなぜ夫を擁護するのか、多くの女性が理解に苦しんでいるという質問には、こう答えた。「申し訳ないけど、それは彼女たちの問題だわ! どう考えるかはその人の自由。夫婦の間に何が起きているかなんて、外からは見えないものでしょう。私の生き方を否定する権利は誰にもない」
インタビューの最後は、こんな質問で締めくくられた。今も夫を愛している? 彼女の答えは――「あなたには関係ないでしょ!」