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東アフリカ共同市場創設が促す「大陸統合」の可能性
ケニア、タンザニア、ルワンダなど5カ国で発足した統一市場は「アフリカ合衆国」の先駆けになるかもしれない
ルワンダ大統領選の投票へ向かう住民。カガメの再選は明るい兆しだ(8月9日) Finbarr O'Reilly-Reuters
7月1日に共同市場が発足した東アフリカ共同体。加盟国5カ国(ケニア、タンザニア、ウガンダ、ブルンジ、ルワンダ)は既に域内の関税を撤廃し、12年までに通貨同盟の成立も目指している。さらに15年までには統一政府を設立する計画もあり、実現すれば人口1億3400万人を抱える「国家」の誕生だ。
各国のGDPの合計は約750億ドルで、今も成長を続けている。共同市場による相乗効果で、外国からの投資増加や域内資源の効果的な配分も期待されている。
域内では既に資本や労働力の自由な移動が始まっているほか、政治的、経済的な調和を図るため各国の法律を調整中。統一パスポートの発行も始まり、ビザ統一に向けた協議が行われている。
アフリカ統合に向けた構想は50〜60年代に浮上したが、当時は時期尚早とされた。67〜77年にはウガンダ、タンザニア、ケニアの3カ国で東アフリカ共同体がつくられたが失敗。75年に西アフリカ15カ国で設立した西アフリカ諸国経済共同体も、効果を挙げていない。
それでも00年を境に、結束を徐々に強めてきた第2の東アフリカ共同体はうまく機能するかもしれない。統合に意欲的なルワンダのカガメ大統領が、8月9日に圧倒的な支持を集め再選されたことは、共同体を後押しする力になる。8月4日にケニアで行われた国民投票で、民主化を促す新憲法が支持されたことも追い風になるだろう。
将来的にはソマリアやマラウイ、ザンビアなども共同体に加盟する可能性がある。東アフリカ共同体が「アフリカ合衆国」の先駆けになるかもしれない。
[2010年9月 1日号掲載]