「サステナブル」がトレンドのヨーロッパで風呂敷の人気が止まらない!
日頃から風呂敷を目にするように
ル・マレクさんいわく、「フランスでは8年ほど前からゼロ・ウェイスト運動(ごみを出さないようにする試み)の実践に伴い、エコロジカルで便利な風呂敷が少しずつ広まりました。年を追うごとに風呂敷が話題に上るようになり、風呂敷を使ってみたいという人が増えています。またフランスのファッションブランドが風呂敷を販売するようになり、ゼロ・ウェイストや日本文化にそれほど興味がない人たちでも日頃から風呂敷を目にするようになっています」とのことだ。
パリでは2018年に大々的な風呂敷の展覧会「FUROSHIKI PARIS」が開催され、風呂敷の芸術的な面にも焦点が当てられた。来場者へのアンケート結果では、87%が、これから風呂敷を実際に使ってみたいと感じたといい、PR効果は高かった。
ル・マレクさんによると、フランスでも風呂敷は主にプレゼント、とりわけクリスマスプレゼントを包むために使われているという。彼女自身は、プレゼント包装や、買物する時や図書館を利用する時のバッグ代わり、また枕カバーに使うなどして、日常生活の様々な場面で風呂敷が使えることを知ってもらうための活動を続けている。
「風呂敷は単なる流行では終わらないと思います。これから需要がさらに増え、もう少し時間がたてば、風呂敷がフランス人の生活の一部になるのではと感じています。私は、子どもたちを対象にしたワークショップもしています。風呂敷の使い方を小さい頃から学ぶのは、風呂敷を一過性のブームにしないためにも大切ですね」(ル・マレクさん)
ヨーロッパ人が日本の食文化に親しむのと同様に、もしかすると数年後には、風呂敷を使うのが当たり前という光景が見られるかもしれない。
[執筆者]
岩澤里美
スイス在住ジャーナリスト。上智大学で修士号取得(教育学)後、教育・心理系雑誌の編集に携わる。イギリスの大学院博士課程留学を経て2001年よりチューリヒ(ドイツ語圏)へ。共同通信の通信員として従事したのち、フリーランスで執筆を開始。スイスを中心にヨーロッパ各地での取材も続けている。得意分野は社会現象、ユニークな新ビジネス、文化で、執筆多数。数々のニュース系サイトほか、JAL国際線ファーストクラス機内誌『AGORA』、季刊『環境ビジネス』など雑誌にも寄稿。東京都認定のNPO 法人「在外ジャーナリスト協会(Global Press)」監事として、世界に住む日本人フリーランスジャーナリスト・ライターを支援している。www.satomi-iwasawa.com