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非認知スキル

ぼっちで勉強しているだけでは育たない、人生の幸福度を上げる非認知スキルの伸ばし方

2021年12月14日(火)13時45分
船津徹

その習い事が明らかに子どもに向いていない(技能が平均以上になる見込みがない、仲間と折り合わない)のであれば、やめることも選択肢です。習い事で失敗体験や嫌な思いを繰り返していても非認知スキルは育ちません。

まだ子どもに「やる気」が残っている場合、あるいは、努力次第で平均以上に上手くなる望みがある場合は「やめさせてはいけません」。環境を変えたり(同じ習い事で他のチームに参加する)、親が練習に付き合ったり、個人レッスンを受けさせるなどして、技能を少しでも上達させる努力をしてください。

「やり抜く力」は、勉強はもちろん、社会に出た時にも様々な経験を乗り越えるために子どもを支えてくれる大切な力です。自ら始めたことに責任を持ち、困難にへこたれず、やり抜く。そんな姿勢は持つ人はどんな場所でも活躍していきます。

一方、やり抜く力が育っていない子どもは、豊かな才能があっても大きく開花しません。やり抜かなければ、成功体験が積めない。成功体験が積めないと、自分に自信が持てない。自信がないからいっそうチャレンジをしなくなる......といった悪循環が起きてしまうのです。

習い事はただやらせればよいのではありません。習い事を積極的に活用して子どもの人間形成につなげることが大切です。一生懸命に課外活動に取り組み、人と競争し、協力をし、成功も失敗も経験をする。習い事をやり抜くことは、子どもが社会で力強く自己実現していくためのトレーニングなのです。

<参考記事>親ガチャ」は子どもからの警告 原因は育児力格差
<参考記事>ソフトスキル後発国の日本人がグローバルで生き残るためにできること
<参考記事>ワイキキ小学校を成績優秀校に変えた「16の習慣」とは?


profile_Pic_toru_funatsu.jpg[執筆者]
船津徹
TLC for Kids代表。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。2001年ハワイにてグローバル人材育成を行なう学習塾TLC for Kidsを開設。2015年カリフォルニア校、2017年上海校開設。これまでに4500名以上のバイリンガル育成に携わる。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)がある。

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