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インタビュー「ダイアナ妃を知れば知るほど、守ってあげたいと感じた」
I Love Diana
ダイアナを知れば知るほど称賛したくなったとスチュワートは言う DANIELE VENTURELLIーWIREIMAGE/GETTY IMAGES
<来年で没後25周年になるダイアナ元英妃を、クリステン・スチュワートはどんな思いで演じたか>
誰からも愛された実在の人物を演じるのは、どんな俳優にも骨の折れることだ。
しかし、クリステン・スチュワートはパブロ・ラライン監督から伝記映画『スペンサー』(全米公開中)で故ダイアナ元英妃の役を打診されたとき、すぐさま引き受けた。
「監督から話が来たときは、どんなプロジェクトかも知らなかったけれど、すぐに『やります』と答えた」ものの、「ちょっと無謀かな」という不安もあった。しかし、そんな無謀さこそ監督の抱くダイアナ像には不可欠だった。そしてクリステンも、監督の強い決意に何かしら感じるものがあった。「あの人には何か止められないものがある」
『スペンサー』は、ダイアナがチャールズ皇太子との離婚を決意した1991年のクリスマス休暇の3日間を描く。「ダイアナは頑張っていた。自身の理想の実現に向けて突き進んでいた」。役を引き受けてからダイアナについて調べるうちに、クリステンは彼女と一体化した。「演じるのはとても楽しかった。本当はつらい日々だったのだけれど」。来年で没後25周年となるダイアナになり切った気分を、本誌H・アラン・スコットが聞いた。
――誰もが知る人を演じることにためらいは?
6カ月間は恐怖で目が覚めた。撮影開始の直前まで、始まるのが怖かった。それで体がおかしくなった。
――ダイアナは平静を装いながらも、もろい精神状態にあった。その微妙なバランスを、どう表現した?
拍子抜けするほど飾らず、それでも美しく、優しく見えるときでさえ、誰もが彼女のそばにいてあげたいと思う。ダイアナは繊細で、ちょっと突っつけば破裂しそうな心の持ち主。どうにも予測不能で、危険を感じさせるほど。彼女の精神状態を思うと、守ってあげたいと強く感じた。
――演じる上で一番大変だった点は?
ダイアナの死を考えないようにしていた。私の中では彼女は生きていて、週に3、4回は悲しみに暮れるから。ひどい交通事故で亡くなったなんて、信じられない。
――アカデミー賞狙いと言われるのは不愉快?
全然。大きな話題になるのはありがたいこと。私はダイアナを愛し、(監督の)パブロを誇りに思っている。作品を通じて素晴らしい時間を共有できたとも思う。
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