最新記事

英語学習

バイリンガル育成の達人がおすすめする、「多読」で英語力を伸ばす方法

2021年11月17日(水)20時05分
船津徹

もう一つ、正しい発音を身につける効果的な取り組みが「サイトワーズ/Sight Words」です。サイトワーズは英語の頻出単語であり、英語の本を読む時に必ず目にする単語です。ちなみにサイトワーズの最初の10単語は「the, of, and, a, to, in, is, you, that, it」です。どれも知っている単語ですが、正しく発音するのは結構難しいですね。

サイトワーズは、よく見る単語を、よく見る順に学習していくシンプルな取り組みですが、高い学習効果が期待できます。というのも、あらゆる活字化された英語の「50%は頻出上位100単語」のサイトワーズで、そして、「65〜70%は頻出上位300単語」のサイトワーズで構成されているからです。

サイトワーズはリーダーズを読む時に繰り返し登場しますから、正しい発音を身につけておくことをお勧めします。こちらもYouTubeで検索すれば、動画を見つけることができます。

発音が日本語っぽいという場合の矯正方法

フォニックスやサイトワーズ学習は面倒だ! という方は、本の朗読音声を活用すると発音向上に効果的です。メジャーな本であれば、YouTubeで朗読動画が見つかるかもしれません。手元に英語の本があれば、タイトルをYouTubeで検索してみてください。

また、オーディオブックと呼ばれる本の朗読音声も役に立ちます。Amazon.com(アメリカのサイト)はAudibleと提携して「本の朗読音声」をMP3形式で販売するサービスを提供しています。

最近は日本の図書館でも「英語多読コーナー」を設置する動きが広がっています。リーダーズやオーディオブックを無料で借りることができますので、利用しない手はありません。ぜひ最寄りの図書館に問い合わせてみてください。

最後に、繰り返しになりますが、多読を成功させるポイントは「やさしい本を読むこと」です。幼稚すぎる、簡単すぎる、と思わずに、読みやすく、やさしい英語の本を読むことで、子どもから大人まで、英語を英語のまま理解できる「英語脳」を実現することができます。


profile_Pic_toru_funatsu.jpg[執筆者]
船津徹
TLC for Kids代表。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。2001年ハワイにてグローバル人材育成を行なう学習塾TLC for Kidsを開設。2015年カリフォルニア校、2017年上海校開設。これまでに4500名以上のバイリンガル育成に携わる。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)がある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米大統領とイスラエル首相、ガザ計画の次の段階を協議

ワールド

中国軍、30日に台湾周辺で実弾射撃訓練 戦闘即応態

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、主力株の一角軟調

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平の進展期待 ゼレンスキー
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 3

    ハン・ガンのノーベル文学賞受賞はなぜ革新的なのか?…

  • 4

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 5

    キャサリン妃の5つの「一軍バッグ」...イギリス製か…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 3

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    ハン・ガンのノーベル文学賞受賞はなぜ革新的なのか?…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 3

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 4

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 5

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:ISSUES 2026

特集:ISSUES 2026

2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン