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COP26にCO2呑み込む「巨大クラゲ」出現 子供が遊びながら環境について体感

2021年11月11日(木)19時00分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

エア・バブルは大型のエアトランポリンで、中に入り、飛んだり跳ねたりして楽しめる。とくに子どもたちに藻による空気清浄機能について知ってもらい、クリーンな酸素の中で遊んでもらおうと制作した。6歳児(体重20㎏)なら最高10人が十分な距離を保って安全に遊べる。これより大きいエア・バブルの設計も可能で、補強材を使って耐久性を高め、より多くの人数を収容できるという。

エア・バブルが優れているのは、CO2を吸収するという機能だけではない。シンプルだが目を引くデザイン性も、とても評価できる。デザインしたクラウディア・パスケロ氏自身も、「エア・バブル空気清浄エコマシンを見れば、美しさというものが、エコロジカルな知性(人間が環境に与える影響を理解し、その改善のために行動してサステナブルな生活をする能力)を駆使するときのスタンダートになるとわかるでしょう」と話す。

1件目のエア・バブルは、ポーランドに建設

エア・バブルの公開は、今回で2件目となる。最初のエア・バブルは今春から10月末まで、ポーランド・ワルシャワにあるコペルニクス科学センター内に登場した。この「エア・バブル・プレイグラウンド(Air Bubble playground)」はCOP26のエア・バブルと違い、木製の柱と薄い膜を組みあせた構造だ。ガラス管に計520ℓのクロレラ培養液が入っており、毎分200ℓの汚染した空気を清浄した。水は円錐型にした天井でためた雨水を利用した。子どもたちはスリット入りの薄い膜が張ってある装置下部から室内へ入り、クリーンな空気に満ちた中で遊ぶことができた。

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木枠を使ったエア・バブル・プレイグラウンド © Maja Wirkus

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エア・バブル・プレイグラウンドの内部 © Maja Wirkus

エコロジックスタジオは、今後、カスタマイズしたエア・バブルをヨーロッパをはじめ、世界の学校や公園などに建設していきたいという。COP26は対策実施に向けて国家間で温度差があることが見え、環境負荷の高いプライベートジェットを利用する要人が多く非難 を受けたり、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんが単なるPRだと批判したりと問題も存在する。建築の分野ではグリーンビルディング(敷地内の緑化や太陽光パネルによる自家発電機能など)が世界で推進されているが、エア・バブルのようなプロジェクトも広めていき、実行可能な方法をとにかく地道に進めていくことが大切だろう。

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