ランゲージアーツの視点が足りない日本で「言葉を用いて伝える力」を育てるために
世界標準の「日本語教育」が必要となる
最近は日本で暮らす外国人が増えてきました。都市部だけでなく地方の学校にも外国人が在籍することが当たり前になりつつあります。日本社会が国際化しているのですから、変化に合わせて「国語教育」も変わる時期に差しかかっているのではないでしょうか。
これまでの日本の国語教育は、日本語を母国語とする日本人を対象にカリキュラムが作られてきました。そのため日本語の会話や読み書きが未熟な外国人にとって難易度が高く、多くの外国人の子どもたちが授業についていくために必要な日本語力を習得できず、学力不振に陥り、苦労しています。
この問題を解決するには世界標準の言語指導法であるランゲージアーツを国語教育に取り入れることが近道だと私は考えています。ランゲージアーツは、言葉の技能を細分化し、まるで算数を学ぶように、簡単なものから段階的に難易度を上げていきますので、日本語力が弱い外国人にとっても極めて有効です。
「言葉の運用能力を高める」ことに焦点を当て、子どもたちが自分の言葉で、自分の思いを伝える力を育成する。ランゲージアーツを指導することで、多様な人たちと信頼関係を構築する力が養われ、世界の舞台で活躍できるたくましい人材育成につながっていくことが期待できます。
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[執筆者]
船津徹
TLC for Kids代表。明治大学経営学部卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。2001年ハワイにてグローバル人材育成を行なう学習塾TLC for Kidsを開設。2015年カリフォルニア校、2017年上海校開設。これまでに4500名以上のバイリンガル育成に携わる。著書に『世界標準の子育て』(ダイヤモンド社)『世界で活躍する子の英語力の育て方』(大和書房)がある。