開業から3年、本当にお客には恵まれた。女性ニュースキャスターのお客様は、エディンバラ公フィリップ殿下の葬儀の中継で私が仕立てたチェック柄のスーツを着た。「エディンバラ公のタータン」と呼ばれる柄だったからだ。

有名な政治家やセレブからの注文も受けているが、主な顧客は仕事用のスーツをあつらえたいという40歳代後半~50歳代のビジネスマンだろう。

なかには年配の男性で「女のテーラーが自分の服を作っているなんて信じ難い話だ」とか言いかねない古い考え方のお客様もいた。だが、私の考えを信頼してくれる中年のお客様もたくさんいる。ある金融機関の幹部のお客様は、圧迫感のある伝統的な店より気楽でいいと言ってくれた。

自分の思いに正直でいればいつか道は開けるもの。私にとっては、一からスーツを作り上げること、そしてお客様がそれを大切に着てくれるのを見るのが喜びだ。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 日本の高齢者施設ランキング
2026年8月4日号(7月28日発売)は「日本の高齢者施設ランキング」特集。

民間介護施設250/療養型病院200/リハビリテーション病院300――世界視点で評価された日本の施設を一挙紹介。[PLUS]和田秀樹:失敗しない施設選び/いとうまい子:介護と健康寿命と研究と

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます