開業から3年、本当にお客には恵まれた。女性ニュースキャスターのお客様は、エディンバラ公フィリップ殿下の葬儀の中継で私が仕立てたチェック柄のスーツを着た。「エディンバラ公のタータン」と呼ばれる柄だったからだ。

有名な政治家やセレブからの注文も受けているが、主な顧客は仕事用のスーツをあつらえたいという40歳代後半~50歳代のビジネスマンだろう。

なかには年配の男性で「女のテーラーが自分の服を作っているなんて信じ難い話だ」とか言いかねない古い考え方のお客様もいた。だが、私の考えを信頼してくれる中年のお客様もたくさんいる。ある金融機関の幹部のお客様は、圧迫感のある伝統的な店より気楽でいいと言ってくれた。

自分の思いに正直でいればいつか道は開けるもの。私にとっては、一からスーツを作り上げること、そしてお客様がそれを大切に着てくれるのを見るのが喜びだ。

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