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HIIT話題の脂肪燃焼トレーニング「HIIT(ヒット)」は、心肺機能を向上させると研究結果
HIIT(ヒット)は、必要な時間やエネルギー消費量が少ないにもかかわらず、心肺持久力、血糖値の調節などを改善させる...... Antonio_Diaz -iStock
<豪西シドニー大学らの研究チームは、高強度インターバルトレーニング(HIIT:ヒット)と心血管代謝への効果について研究論文11本をレビューした...... >
高強度インターバルトレーニング(HIIT:ヒット)は、数分間、ゆるやかなペースで自転車を漕いだあと、短時間で最高速度にまでペースを上げ、再びゆるやかなペースに戻すといったように、高強度と低強度の運動を交互に繰り返すトレーニング方法だ。
一般的なトレーニングに比べて時間をかけずに、有酸素能力の向上や収縮期血圧(最高血圧)の低下、心血管疾患リスクの減少に役立つ。
筋肉のミトコンドリアの数を増やす
ではなぜ、高強度インターバルトレーニングには、このような効果が期待できるのだろうか。健康増進は、エネルギー源として蓄えられている骨格筋グリコーゲンの使用量ではなく、その使用率によってもたらされると考えられている。
高強度インターバルトレーニングでは、運動に必要なエネルギーを供給するため、体が筋肉のミトコンドリアの数を増やし、活発化させて、筋グリコーゲンを枯渇させる。つまり、このように筋グリコーゲンの使用率が上がることで、健康増進や代謝機能の向上につながるというわけだ。
心肺持久力、血糖値の調節、血圧、心機能を改善させる
豪西シドニー大学らの研究チームは、15分未満の高強度の運動を「低量高強度インターバルトレーニング」と定義づけ、その心血管代謝への効果について研究論文11本をレビューし、2021年3月24日、学術雑誌「ジャーナル・オブ・フィジオロジー」でその結果を発表した。
これによると、低量高強度インターバルトレーニングは、一般的な有酸素運動に比べ、必要な時間やエネルギー消費量が少ないにもかかわらず、心肺持久力、血糖値の調節、血圧、心機能をこれと同等以上に改善させる効果がある。
炭水化物や脂肪などを燃焼する能力を高め、これが血糖コントロールにつながり、2型糖尿病といった疾病の予防にも役立つ。左心室の機能が高まり、全身により多くの血液を送り出すようにもなる。また、心肺持久力が少し向上するだけでも、心臓発作や脳卒中といった心血管系有害事象のリスクを10〜30%軽減できる。
ただし、高強度インターバルトレーニングに関するこれまでの研究成果には制約もある。多くの研究は実験室環境で行われているため、実際にどのくらい効果があるのかは明らかでない。
多忙な現代人でも活用しやすい手段のひとつ
世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、18〜64歳の成人に、週150〜300分の中強度の運動または週75〜150分の激しい高強度の有酸素運動をするよう推奨しているが、「時間がない」ことを理由に運動を習慣づけられない人が少なくない。
また、英ハダースフィールド大学の研究結果では「低量の運動介入は、過度に困難さや不快感を与えることなく、用いやすい」ことが示されている。これらのことから、短時間で一般的な運動と同等以上の効果が得られる高強度インターバルトレーニングは、多忙な現代人でも活用しやすい手段のひとつといえそうだ。
15 MIN FULL BODY HIIT WORKOUT - burn lots of calories / No Equipment I Pamela Reif