アジア系へのヘイトクライム急増、女性誌編集長のアジア人侮辱ツイートが大問題に
10年前のアジア人侮辱ツイートが問題になり編集長就任直後に辞任となった...... New York Post-YouTube
<アメリカでアジア系の人々を対象にした差別、嫌がらせ、ヘイトクライムが急増。そんな中、女性誌編集長のかつてのアジア人侮辱ツイートが問題となり、就任直後に辞任となった...... >
アメリカでは、アジア系の人々をターゲットにした差別、嫌がらせ、ヘイトクライム(人種、民族、宗教、性的指向などに係る憎悪犯罪)が急増している。路上や電車の中で見知らぬ者から急に殴られたり押し飛ばされたり、刃物で切りつけられたりする事件が、ここ最近は頻繁に起こっている。
カリフォルニア州立大学の憎悪・過激主義研究センターのデータによると、全米16都市でアジア系を対象としたヘイトクライムは昨年122件報告され、2019年に比べて150%アップしたという。
発砲事件でアジア系など8人死亡
16日、ジョージア州アトランタ市郊外のマッサージ・スパ施設3ヵ所で銃撃事件が起こり、8人が死亡、1人が負傷した。いずれの店もアジア系が経営し、亡くなった8人のうち6人はアジア系、2人は白人だった。その後、ロバート・アーロン・ロング容疑者が逮捕された。
容疑者は警察の取り調べで、襲撃した店を以前使ったことがあると供述しているが、容疑者本人からアジア系へのヘイト(憎悪)が事件の動機に繋がったとのコメントは今のところ出ていない。通常の犯罪ではなく「ヘイトクライム」と認定するには、確固たる証拠が必要とされており、この事件がヘイトクライムか否かというのは今の所わかっていない状態だ。
LAの日本の寺が放火される
先月25日には、カリフォルニア州ロサンゼルス市内にある日本の寺院「東本願寺ロサンゼルス別院」で放火事件が起こった。男が柵を越えて敷地内に侵入し、提灯台に火をつけ、金属製の灯篭を倒している様子が防犯カメラに残されていた。火はスタッフによって消され怪我人は出ていないが、犯人は捕まっていない。「ヘイトクライムの可能性がある」として捜査が進められている。
Break-in, suspected arson at a Little Tokyo Buddhist temple being investigated as hate crime 「犯人の身なりはきちんといていた。何も盗まれておらず破壊行為だけであることからヘイトクライムの可能性は高い」と住職はインタビューで応えている。
NYでは日本人が暴行受けるも
昨年ニューヨークでも、日本人ピアニストの男性が地下鉄の駅で8人組から突然暴行を受け負傷した事件があった。この男性も盗まれたものはない。犯人は男性を殴りながら「アジア人」や「中国人」という言葉を放ったと被害者本人が証言しているが、ビデオなどの証拠が残っていないことから「ヘイトクライムの可能性あり」として処理された。この事件も未だ犯人は捕まっていない。
このように、証拠不十分としてヘイトクライムの認定をされていないものや、被害者から報告されていないケースも含めると、アジア系への嫌がらせは明るみに出ている以上に相当数あると見られている。
女性誌編集長のアジア人侮辱ツイートが問題に
そんな中、『ティーン・ヴォーグ』誌の新編集長が発表されたのだが、その資質への疑問が社内外から沸き起こった。8日に編集長に就任したアレクシィ・マッカモンド氏(27歳)は、かつてアジア系の人々をからかったり侮辱したりするツイートをしており、その内容が再び議論となったのだ。
同氏が10代だった2011年から12年にかけてシカゴ大学の学生時代に、「アジア人のように腫れぼったくない目にならない方法をググっている」「間抜けなアジア人」「(教師の助手について)年取ったアジア人女性みたい、笑」などと、複数回発信していた。