最新記事

ニューヨーク

コロナ失業もNYのセレブシェフは富裕層のお抱えで収入倍増のケースも

2020年05月13日(水)16時45分
安部かすみ

パンデミック以降、閉店したレストランも多いが......MarianVejcik-iStock

<ニューヨークの富裕層やセレブの中には、コロナ禍で失業した才能あるシェフを家庭用のお抱えシェフとして雇い入れる動きがある......>

アメリカでは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大以降、失業者数が3300万人にも膨れ上がり、事態は深刻だ。

経済活動の再開に向け、国内では6割以上の31州で、5月8日までに一部の業種が再稼働、自粛解除となった。感染症例数最多のニューヨーク州では15日より、出口戦略基準をクリアした10地域のうちの3地域で、経済活動が再開となる。しかし感染者の多いニューヨーク市では、ロックダウン(自宅待機)がこのまましばらく続きそうだ。

レストランの多くが従業員を解雇

ニューヨーク経済をこれまで底辺から支えてきたのは、星の数ほどある飲食業と言われている。市内には2万7000以上のレストランがあり、そこで働いていた従業員16万7000人の多くが、コロナ禍で解雇された

ニューヨークには世界に名の知れた有名レストランが軒を連ね、世界の大富豪は、お気に入りのシェフの料理を堪能するためだけにプライベートジェットでわざわざ足を運ぶ。パンデミック以降失業したシェフも多いが、一部の有名シェフは、予想外な収入増となるケースがあるという......。

富裕層のお抱えで収入倍増のケースも

レストランが閉店したり、食材の調達もままならない中、富裕層やセレブの中には、コロナ失業した才能あるシェフを家庭用のお抱えシェフ(プライベートシェフ)として雇い入れる動きがある。不動産ブローカーや人材派遣会社が仲介している。

マンハッタンの名店「イレブン・マディソン・パーク」の元副料理長、イアン・テンザーさんも、こうして声がかかった1人。この店は世界のトップレストランを決める毎年恒例の「World's 50 Best Restaurants」で、2017年の世界1位を獲得した。8〜10品のテイスティング・メニューが1人335ドル(前払い、ドリンク別)と、ニューヨークの中でも割高の料金体系で、食費は前払いのみと、なかなか敷居が高い。にもかかわらず、以前は予約が取れないほど人気で、店内は毎夜世界中から訪れた食通たちで賑わっていた。

KasumiAbe0513.jpeg

世界中の食通が集うレストランだった、イレブン・マディソン・パーク。(写真は新型コロナ騒動以前の店内の様子)© Kasumi Abe


コロナ禍となり州内のレストランは持ち帰りとデリバリーのみが認められるようになったのだが、そこで困窮したのは、イレブン・マディソン・パークのような超高級店だった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザで戦争犯罪容

ビジネス

米中古住宅販売、10月は3.4%増の396万戸 

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、4
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 2

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が妊娠発表後、初めて公の場…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が出産後初めて公の場へ...…

  • 4

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 5

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること