「きょうだい平等」の精神は上の子にとって不平等
おにいちゃん(おねえちゃん)だからは禁句!
上の子に「お兄ちゃん(お姉ちゃん)だから我慢して!」は禁句です。下が生まれたという事実だけで、上の子は十分過ぎるほど「我慢」しているのです。母親に甘えたい気持を我慢して、抱っこしてもらいたい気持を我慢して、おっぱいを飲みたい気持を我慢して、ママと一緒にいたい気持を我慢しています。
上の子の気持を満たす一番の方法が、下の子の世話を手伝ってもらうことです。母親一人で赤ちゃんの世話をするのでなく、母親のサポーター役として上の子を頼りにするのです。
上の子は母親と一緒に過ごす時間が増えますから、どんな手伝いでも必ず引き受けてくれます。そして手伝いをすると母親からほめてもらう機会が増えますから「自分は親から必要とされている」という自信が回復するのです。
「◯◯ちゃん、悪いけどオムツを取ってきてもらえる?」と上の子にお願いします。そして手伝ってくれたら「ありがとう、手伝ってくれてママ助かったわ」と言ってギューと抱きしめます。これで「やっぱりボクの働きはママに必要なんだ!」と子どもは実感することができるのです。
オムツ交換、沐浴、着替えなど、母親が一人でさっさとやってしまわずに、上の子を頼ってみてください。小さい子どもに手伝わせるよりも母親が一人でやった方が簡単なことは分かります。しかし上の子に疎外感を味合わせないことが目的ですから、時間がかかっても上の子を頼りにすることが大切です。
下の子は愛情不足にならないのか?
一方で下の子は生まれた時から上の子がいますから、そもそも親の愛情は独り占めできないもの、きょうだいで分け合うものという前提で生まれてきます。また授乳、抱っこ、添い寝など、母親と密接なスキンシップを常にしていますから、上の子に比べて愛情不足に陥ることは少ないのです。
ですから下の子は、母親が一人でがんばって育てるのでなく、父親や祖父母や兄弟姉妹の手を借りて、家族みんなで育ててください。子育ての雑用や赤ちゃんの遊び相手はできるだけ家族に任せましょう。
そして家族に下の子を見てもらっている隙に、愛情不足になっている上の子の心を満たしてあげましょう。「◯◯ちゃんに寂しい思いをさせてごめんね」と言って上の子を思い切り甘えさせてあげるのです。
子どもの愛情不足を解消する効果的な方法がスキンシップ(心地よい皮膚接触)です。抱っこしたり、添い寝をしたり、お風呂に一緒に入ったり、チュッチュッしたり、肩や背中を撫でたり、手足をマッサージしたり、子どもとの心地よい皮膚接触を増やすと「ママから愛されている自信」が復活します。
親の愛情が実感できれば、子どもの自信は大きくなり、問題行動は収まっていきます。そうしたら今度は、少しおあずけをくっていた下の子に愛情の集中投下をすればよいのです。