選手村のコンドーム配布 ユース五輪で配ると「本当に、すぐになくなりました」
(写真はイメージ)pederk-iStock
<五輪開催中、どれほどの選手たちが実際に性行為しているのか、そして配布されたコンドームを使っているのかは定かではないが、タイム誌は、「70~75%のオリンピック選手たちは、五輪開催中にセックスしています」というアメリカの競泳選手の発言を掲載するなど、期間中の「熱狂」を伝えている>
東京五輪開催まで、約半年となった。準備は進み、国立競技場近くでは開催期間は既に満室になったホテルもあるといい、観戦者たちの胸の高鳴りが筆者の住むヨーロッパまで聞こえてきそうだ。オリンピックというと、毎回、主に選手に向けてのコンドーム配布が話題になる。
米誌タイムによると、コンドームが初めて配布されたのは、1988年のソウル五輪でのこと。2016年のリオデジャネイロ五輪では選手村で45万個が配布され、これは新記録だと世界のマスコミが取り上げた。また、2018年の平昌冬季五輪では、冬季五輪史上最多の11万個のコンドーム(Barunsengkakという企業が10万個、韓国エイズ予防連盟が1万個を寄付)が配布され、話題になった。
【参考記事】完全オーダーメイドのコンドーム革命
東京五輪でもコンドームが配布される可能性は高く、日本のメーカーは、わが社を選んでほしいと期待を寄せる。メーカー側にとって直接の収益にはならないとはいえ、もし国際オリンピック委員会に選んでもらって寄付することになれば、マーケティング効果は抜群だ。五輪後、他国からの問い合わせ増加につながる予想もされている。国内のコンドームシェア1位のオカモトは、東京五輪を見据えて、昨年、浮世絵などをプリントした新作「デザインコンドーム」を発表した。
五輪開催中、どれほどの選手たちが実際に性行為しているのか、そして配布されたコンドームを使っているのかはわからない。前出のタイムは、輝かしい成績をもつアメリカの競泳選手ライアン・ロクテ(これまでに2度資格停止処分を受けた)が「70~75%のオリンピック選手たちは、五輪開催中にセックスしています」と話したと指摘しているが、果たして、この発言にどこまで信ぴょう性があるのか。ともかく、配布のコンドームは、五輪記念として持ち帰る人も多いと聞く。
コンドーム配布は、1月9~22日にスイスで行われたローザンヌ冬季ユース五輪(ローザンヌ2020)でも実施された。本大会は、70か国以上から、15~18歳の選手たち1880人が集まって競技した。競技会場はローザンヌ市内と7つの自治体で、うち1つは高級リゾート地のサン・モリッツだった。選手村はローザンヌに1つ、そしてサン・モリッツに1つだった。ローザンヌのThe Vortexと呼ばれる新築リング型住居(総工費170億円以上)には1700人の選手が滞在し、サン・モリッツでは、サン・モリッツ・ユースホステルに200人強の選手が宿泊した。