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IS戦闘員と結婚したアメリカ女性「2度目のチャンスがあると信じている」

2019年12月05日(木)16時00分
安部かすみ

オバマ政権下で、アメリカのパスポートは無効とされていた...... NBC News- YouTube

<過激派組織「イスラム国」に参加していたアメリカ女性が帰国を望んでいるが、アメリカ国籍は無効とされており、帰国を許されていない......>

「出生地主義」のアメリカでは、親が外国人であろうと国内で生まれた子はすべてアメリカ国籍が付与される。合衆国憲法が規定しているこの出生地主義は、もともと奴隷解放により自由の身になった人々に国籍を与える必要があったことから生まれたものだ。そして一度与えられた国籍は、基本的に剥奪されることはない。

アメリカで生まれ育ち、3人のIS戦闘員と結婚した女性

しかし、あるアメリカで生まれ育った「アメリカ女性」が出国後、国に戻れない状態となっている。

ホダ・ムタナさん(25歳)は1994年、国連外交官としてアメリカに滞在していたイエメン人家族のもとニュージャージー州で生まれ、アラバマ州で育った。家族は今もアラバマ州に住んでいる。

しかしムタナさんは2014年、過激派組織「イスラム国」(IS)に参加するため、シリアに向けて出国した。その後3人のIS戦闘員と結婚し、2年前に男児をもうけた。

しかし、クルド人が主導するシリア民主軍(SDF)支配地域へのトルコ軍の攻撃により情勢が悪化し、今年1月以降、シリアの難民キャンプに息子と身を寄せている。ムタナさんはそこに収容されている約500人のIS花嫁の1人、そして子を含む1500人の中で唯一のアメリカ人とされている。

ムタナさんのアメリカのパスポートは、オバマ政権下の2016年、無効とされた。最近になりムタナさんは「自分の決断は間違いだった」と後悔し、息子と共にアメリカに帰国したい意思を表面していた。

「私はアメリカ市民。2度目のチャンスがあると信じている」

難民キャンプでNBCニュースの取材を受けたムタナさんは、テロ攻撃をサポートしたことは一切ないと強調しながら、「私はアメリカ市民であり、祖国にいたい」「誰だって神を信じる人は、例えどのような罪を犯したとしても、2度目のチャンスがあると信じている」と答えた。

有効なパスポートがないため、アラマバに住む家族がムタナさんの帰国を許可するよう国に対して訴訟を起こしていたが、コロンビア特別区連邦地方裁判所は11月14日、ムタナさんの父親がムタナさん誕生の直前に外交官を解任されていたことなどを理由に、ムタナさんを「アメリカ市民ではない」とし、出生地主義の根幹を揺さぶる裁定を下した(NY Times)。

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