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アルツハイマー

炭酸飲料の取りすぎでアルツハイマーにかかるリスクが3割増

2018年08月06日(月)16時45分
松丸さとみ

その他の加糖飲料との比較でも炭酸飲料が高リスク lectravk-iStock

<2000人以上を7年間追跡した研究結果から、加糖されたもの、なかでも炭酸飲料を多く取る人はアルツハイマー病にかかるリスクが高まる可能性が示された>

甘い食べ物や飲み物、とくに炭酸飲料を取りすぎると、アルツハイマー病にかかる可能性が高まるかもしれない。2000人以上を対象に行った最新の調査で明らかになった。調査結果は、7月22〜26日に米国シカゴで行われた、認知症に関する世界最大級の国際会議であるアルツハイマー病協会国際会議(米アルツハイマー病協会主催)で発表された。

過去に行われた複数の調査で、2型糖尿病と認知症が密接に関係していることが示されてきた。本誌米国版によると、そこで米コロンビア大学の研究者たちは、本当に2型糖尿病が認知症のリスクを高めるのか検証するため、高齢者2226人を対象に7年にわたる追跡調査を実施した。

調査期間中、研究者らは参加者が取った食事と飲み物のうち、加糖されたものを記録した。7年の間に、アルツハイマー病を発症した参加者は429人だった。

甘いものは何でも高リスク。でも一番は炭酸飲料

調査の参加者で、加糖された糖分の1日あたりの摂取量が30.3グラムだった人は、5.8グラムだった人と比べアルツハイマー病にかかる可能性が33%も高いことがわかった。

同様のパターンは、「炭酸飲料1缶(平均で糖分20グラム)を1日おきに飲む人と、100日に1本しか飲まない人」や「フルーツポンチやフルーツジュースなどで1日23グラムの糖分をとる人と、1日0.4グラムの人」、「食事や飲み物に1日あたり小さじ2.5杯分の砂糖を加える人と、砂糖を加えない人」などを比較した際にも見られたという。

コロンビア大学の調査チームはさらに、炭酸飲料とその他の加糖飲料を比較。炭酸飲料は、アルツハイマー病にかかるリスクが他の加糖飲料と比べて著しく高いことが示された。

英アルツハイマー協会のダグ・ブラウン博士(今回の調査には関与していない)は、今回の調査結果が、過去の実験で示された「2型糖尿病は認知症のリスク要因である」ことを裏付けているとして、砂糖の過剰摂取はアルツハイマー病のリスクを高める可能性があると指摘している。自分が歳を取った時に認知症にかかるリスクを下げるには、炭酸飲料、デザート、ケーキなどを減らし、バランスのとれた食事をすることだ、と話している。

米国の患者数570万人、2050年には1400万人へ

米アルツハイマー病協会によると、現在米国では570万人がアルツハイマー病にかかっており、米国人の死因第6位だ。65秒ごとに1人がアルツハイマー病を発症しており、米国での患者数は2050年には1400万人近くに達すると予測されている。

前述の本誌米国版に掲載されたビデオによると、アルツハイマー病を治したり進行を遅くしたりする薬は現在、存在しない(なお、日本ではアルツハイマー病に4種類の薬が認可されているが、どれも病気を根本的に治療するものではないようだ)。アルツハイマー病の新薬の臨床試験が失敗に終わる確率は99%以上に上るため、現在はアルツハイマー病そのものの治癒ではなく予防のための新薬開発に力が入れられているという。

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