最新記事

2021年に始める 投資超入門

1300万人がハマる投資アプリ「ロビンフッド」の魅力と落とし穴

THE ROBINHOOD WAY

2021年1月10日(日)14時05分
ダニエル・グロス(ビジネスライター)

スマホ1台あれば数タップで取引可能 DAVID TRAN PHOTO-SHUTTERSTOCK

<米証券業界に「革命を起こした」と評判のロビンフッド。売買手数料は無料、数百ドルしか手元になくても気軽に株式投資ができる。利益相反なども指摘されるが、快進撃はどこまで続くのか>

(※本誌「2021年に始める 投資超入門」特集より)

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に揺れた金融市場の最も意外な勝者の1つは、ミレニアル世代(2000年代に成人または社会人になった世代)がターゲットのスマートフォンアプリ「ロビンフッド」だ。

ユーザー数は1300万人。「金融市場を一般の人々がアクセス可能なものに変え、証券業界に革命を起こした」と、米有力ベンチャーキャピタル、セコイア・キャピタルのアンドリュー・リードは語る。
20210112issue_cover200.jpg
言うまでもなく、ロビン・フッド伝説は貧しい人々を助けるために金持ちから盗む義賊の物語。だが今では、庶民を金持ちと対等な立場に引き上げる試みの意味になった。それこそカリフォルニアを拠点とするロビンフッド・マーケッツの企業理念だ。

裕福な個人が相手の証券会社と違い、ロビンフッドには最低取引単位がない。株取引の売買手数料は基本的に無料。数百ドルしか手元に資金がなくても、アマゾン株(現時点で1株=3000ドル以上)を1単元株未満で購入できる。

共同創業者で共同CEOのバイジュ・バットとブラド・テネフは、スタンフォード大学で出会い、ヘッジファンドに取引ツールを売っていたが、すぐにミレニアル世代が簡単に株式市場にアクセスできるアプリの開発に方向転換。2015年にアプリ「ロビンフッド」を正式にリリースした。

ゴールドマン・サックスのような既存の金融大手はもちろん、Eトレードのようなネット証券から見ても魅力的な顧客とは言い難い超小口の個人投資家にとって、ロビンフッドは天からの贈り物だった。

ほとんどの投資アドバイザーが株価指数と連動するインデックス投資を推奨する時代に、あえて個別株で勝負したい投資家にも歓迎された。

「私たちは数百万人の人々、特に新しい世代が投資の扉を開くのを後押ししてきた」と、2人の創業者は胸を張る。

利益相反の疑いあり

2019年までに、ロビンフッドは「ユニコーン」(企業評価額が10億ドル超で未上場の新興企業)の1つに成長した。2019年7月には3億2300万ドルを資金調達し、評価額は70億ドルを突破。年末までに1000万人のユーザーを獲得した。

そして2020年、パンデミックの襲来を受けてプロスポーツが活動を停止すると、サッカーやバスケットの試合を対象とする賭けに熱中していた人々が株取引に殺到。この年を通じて、ロビンフッドは米株式市場と共に急成長した。

transaction_accounts_superbanner.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド26年度予算案、財政健全化の鈍化示す フィッ

ビジネス

ウォーシュ氏のFRB資産圧縮論、利下げ志向と両立せ

ワールド

米特使、イスラエルでネタニヤフ首相と会談へ=イスラ

ワールド

シンガポール、宇宙機関を設立へ 世界的な投資急増に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 3
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 6
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 7
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 8
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 9
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 10
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中