新型コロナ:ワクチン接種と公平性のジレンマ
Vaccine: How Will You Know It’s Your Turn
一部の州は、新型コロナで不当に大きな影響を受けているグループ(黒人や先住民、中南米系、アジア系やホームレス)に手を差し伸べる計画を立てている。だがアメリカの医療の現状を考えると、結局は裕福な人、そして白人ほどワクチン接種を受けやすくなる可能性が高い。
もしもワクチン接種の順番が自己申告で決まることになったら、虚偽申告をしたくなる人もいるだろう。でも今は、誰もが正直に順番を待つことが必要だ。
優先順位は、感染拡大の抑制だけでなく、死や苦しみを最小限に抑えるためにも定められている(幸運にも在宅勤務が可能でまだ30代の筆者だって、早く接種を受けたい気持ちはある。でも、きっと順番は最後のほうだろう)。
それに、自分が接種を受けられなくても一定の恩恵は期待できる。地域社会でワクチン接種が始まれば感染率が下がり、日々の活動に伴う感染リスクが減るからだ。
連邦政府の適切な指導があり、各州が遅滞なくワクチンを配布できれば、何カ月かでアメリカ中の人が接種を受けられる。しかし、それまでは各州が優先順位の調整に悩まされることになるだろう。
©2020 The Slate Group
<2020年12月22日号掲載>
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