最新記事

自然災害

世界の危険な火山ビッグ5──特に危ない国はイタリア

The Most Lethal Volcanoes

2018年8月6日(月)12時07分
アリストス・ジョージャウ

mag180806volcanoes-4.jpg

噴煙を上げ続けるポポカテペトル山 IMELDA MEDINA-REUTERS

ポポカテペトル山(メキシコ)

ポポカテペトルは先住民の言葉で「煙を上げる山」。北米で2番目に高い火山で、人口2000万人余りの世界最大の都市の1つ、メキシコシティの南東約70キロにそびえる。歴史的に噴火を繰り返してきたが、近年も活発に噴火を続け、今年1月末には上空3000メートルまで噴煙を上げた。

現在の活動で大きな被害は出ていないが、プリニー式噴火を起こす可能性があるため、北米で最も危険な火山と見なされている。プリニー式噴火とは、ベズビオ山の噴火を記録した古代ローマの歴史家プリニウスの名にちなんだ噴火のタイプ。ポンペイの街を火山灰のタイムカプセルに閉じ込めたように、大量の軽石や火山灰を噴出し、しばしば火砕流を伴う大規模噴火だ。

レーニア山(アメリカ)

ワシントン州にあるレーニア山は標高4392メートルで、カスケード山脈の最高峰。過去500年間大規模な噴火はないが、警戒が必要とみられている。

米地質調査所によれば、次の噴火では火山灰や溶岩流、火砕流による被害が予想される。標高が高く、シアトル・タコマ広域都市圏に近いため、大きな人的被害をもたらし得る。小規模であっても噴火により山頂の氷や雪が解ければ、火山泥流が発生する恐れがある。

この山はセント・ヘレンズ山や日本の富士山のような成層火山(ある火口を中心に、溶岩流と火砕流が交互に堆積した円錐形の火山)で、山体が崩壊する大爆発を起こす可能性もある。

[2018年8月 7日号掲載]

ニューズウィーク日本版 日本人と参政党
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月21日号(10月15日発売)は「日本人と参政党」特集。怒れる日本が生んだ参政党現象の源泉にルポで迫る。[PLUS]神谷宗幣インタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ

ワールド

全米で反トランプ氏デモ、「王はいらない」 数百万人

ビジネス

アングル:中国の飲食店がシンガポールに殺到、海外展
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心呼ばない訳
  • 4
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中