最新記事
健康

「口臭の強さ」が都会生活に関連している可能性【最新研究】

Bad Breath May Be Linked to Urban Living

2024年11月17日(日)09時40分
ハッティ・ウィルモス

大麦とトウモロコシは繊維が多く、消化されにくいデンプンを含んでいるため、口腔微生物の健康状態が良くなる一方、米や小麦を食べると唾液アミラーゼ(口内でデンプンの消化をする酵素)が増加する。

また、ネパール人の被験者がネトル(シスヌ/セイヨウイラクサ)を噛むかどうかによっても違いが見られた。本研究を主導したペンシルバニア州立大学エバーリー・カレッジ・オブ・サイエンスのエミリー・ダベンポート助教授は次のように述べる。


 

「口腔微生物が摂取する穀物によって違いが見られることは理にかなっていますが、ネトル(シスヌ/セイヨウイラクサ)との関連性も見られることは興味深いことです。

ネトルは、本研究での採集狩猟民のグループがガムのようによく噛んでいる繊維質の植物です。ネパールの料理、文化、医療における重要な役割を考慮すると、口腔微生物と関連があるのは興味深いことです」

口腔内微生物は十分に研究されておらず、研究のほとんどが西洋人を対象に行われてきた。また先行研究では、都市部のヨーロッパ人と地球の反対側の採集狩猟民のグループの唾液など、異なる地域間での口腔微生物の比較が行われてきた。しかし、本研究では地理的要因と生活様式の変化を分けて調査できたとして、ベンポート助教授は次のように述べる。

「本研究から多くの学びがありましたが、微生物群は世界中で異なっています。口腔微生物の多様性や構成が生活様式によって、どのように変化するかをグローバルな文脈で研究することで、人間の健康に及ぼす影響についての知識を深めることができます」

本研究は11月4日に科学学術誌「マイクロバイオーム(Microbiome)」で発表され、アメリカ国立衛生研究所(NIH)、スタンフォード大学、およびニューヨーク大学アブダビ校の研究助成を受けている。

【参考文献】
Ryu, E. P., Gautam, Y., Proctor, D. M., Bhandari, D., Tandukar, S., Gupta, M., Gautam, G. P., Relman, D. A., Shibl, A. A., Sherchand, J. B., Jha, A. R. (2024). Nepali oral microbiomes reflect a gradient of lifestyles from traditional to industrialized, Microbiome 12(228).

ニューズウィーク日本版 イラン革命防衛隊
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月24号(3月17日発売)は「イラン革命防衛隊」特集。イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

カナダ中銀、金利据え置き 原油高受けたインフレ圧力

ワールド

トランプ氏訪中、中国が延期で合意 早期に再調整=ホ

ワールド

NATO、ホルムズ海峡再開を協議 ルッテ事務総長「

ワールド

IAEA、イラン中部の新ウラン濃縮施設の状況把握せ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポリ」が中東へ
  • 4
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 8
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 9
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中