最新記事
挨拶

「お世話になっております」...毎度使っていませんか? センスがいい人の心の距離を縮める言葉の極意

2024年9月20日(金)12時56分
有川 真由美(作家)*PRESIDENT Onlineからの転載

【「分厚い書類=仕事ができる」ではない】

編集部の管理職の方が、こう嘆いていたことがありました。

「新人編集者に、本のタイトルを考えてくるように言ったら、『30個考えました!』って、分厚い書類を自信満々で持ってきたんだけど、使えるものが1個もない。分厚い書類=がんばっている自分、と子供みたいにアピールしたいのよね」


 

上司からすると、書類を読むのも、選ぶのもたいへん。「これはいい!」と感じるタイトルが2、3個あればじゅうぶんで、書類は数行で済むことなのです。

役所や企業、学校などの会議に参加することがありますが、一見、ちゃんとした組織ほど、会議の書類が膨大で、それを説明するスピーチも長い。専門用語で長々としゃべられてもこちらの理解が追いつかず、「この会議は一体、なんのためにやっているのか」とわからなくなることさえあります。

なにより、省エネの観点からも非効率。紙は意外に重く、持って帰るのも、保管するのもかさばるわけです。

【「A4用紙1枚」にすべてを詰め込む】

書類の枚数が多い、話が長いというのは、センスのなさの象徴でしょう。「自分が伝えたいこと」をあれもこれもと盛り込むから話は膨らみ、脱線していくのです。

できる人の書類は、大抵「A4用紙1枚」。企画書、報告書、資料など「1枚」という制約があるがゆえに、まず「だれのため、なんのための1枚か」を考えます。「相手が知りたいこと」だけを伝えようと、資料もスピーチも構成します。

受け取る側は「できれば簡単に私の知りたいことを教えて!」と望んでいるのです。

とにかく「A4用紙1枚にまとめる」を繰り返していると、ほかの仕事も「だれのため、なんのため」から考えるようになり、時間をかけるべきことと、捨ててもいいことがわかるようになります。自分の時間だけでなく、仕事相手の時間も労力も節約することになります。

センスというのは「なんでも自由に」ではなく、なにかの制約や目的があるからこそ方向が明確になり、研ぎ澄まされていくのです。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

歳出最大122.3兆円で最終調整、新規国債は29.

ワールド

トランプ政権、元欧州委員ら5人のビザ発給禁止 「検

ワールド

米連邦地裁、H─1Bビザ巡る商工会議所の訴え退ける

ワールド

米東部の高齢者施設で爆発、2人死亡 ガス漏れか
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 10
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中