老後の知恵...「断れない人」「すぐ謝る人」が「雑に扱われない人」になるために絶対すべきこと
ドイツの関係心理専門家ロルフ・セリンは、『ここまで、そしてそれ以上』(未邦訳)で自身の経験と自身が治療した数十万人の診療記録を基に、きっぱりと線引きした際には奇跡ともいえる変化が起きたことを明らかにした。
きっぱりとした線引きをとおして関係は壊れるどころかむしろ強固になり、感情を抑えこまずに本心を明らかにしたことで初めて本人の思考と趣向が尊重される関係へと発展したというのだ。
だから線引きを恐れる必要はない。線を引くことでさらに発展する関係こそが、あなたが求める関係だろうから。
ただし、線を引く際は柔軟ながらも毅然とした態度で臨まなければならない。
とはいえ相手から雑に扱われたり、無理な要求をされたりすると、人はどうしても傷ついて感情が高ぶるものだ。そういう時はすぐさま反応するのではなく、一旦すべてを停止させて高ぶった感情を鎮めることが先決だ。そのあとで相手に自分の意見をきちんと伝えるのである。
この時、曖昧な表現をしては相手が理解できない可能性がある。また、どんなに不快な扱いをされたとしても相手を非難せず、自分には何ができないのかということについてのみ話すように心がけるといい。それでこそ相手に自分の意思を尊重させられるというものだ。
どんなに老いて体が弱っても、人生の舵はできるかぎり自分で切ったほうがいい。自ら選択し決定することが増えるほど、人生の幸福感や達成感、自尊感情は高まるからだ。
『「大人」を解放する30歳からの心理学』
キム・ヘナム 著
渡辺麻土香 訳
CCCメディアハウス
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