休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽しく疲れをとる方法
入浴も立派な「休養」です。休みの日はお風呂でのんびりすごしてはいかがですか? Dpongvit - shutterstock
<あなたは今、疲れていませんか?「休日はのんびりお風呂」入浴で疲れがとれる理由を医学博士で日本リカバリー協会代表理事である片野秀樹氏が解説>
突然ですが、あなたは今、疲れていませんか?
医学博士で日本リカバリー協会代表理事である片野秀樹氏によれば、疲労は熱や痛みと同じ、体からの警告です。
片野氏がこのほど上梓した『休養学:あなたを疲れから救う』では、軽視されがちな「疲労」と「休息」について科学的な解説を加え、「人はなぜ疲れるのか」「休まずにいると体はどうなってしまうのか」「どんな休み方が効果的か」といった疑問に答えていきます。
今回は「お風呂に入ると疲れがとれるのはなぜか」。本書から抜粋・編集してお届けします。
【「適度な運動」は休養になる】
「運動と休養は、正反対の話ではないか」と思われる方もいるかもしれませんが、休養学では運動を休養の一種とみなします。適度な運動をすることで、より疲労回復が進むからです。何もせずにじっとしているより、運動をしたほうが疲れがとれます。
運動すると血液の流れがよくなり、細胞の1つひとつにしっかりと酸素と栄養を運ぶことができます。それによって老廃物の除去が促進されたり、リンパの流れがよくなったりするので、疲労感の軽減につながります。
「血のめぐり」をよくすることは健康の基本です。それには軽く体を動かすのがいちばんです。
休みの日は1日じゅう寝ている人もいると思いますが、ずっと寝ていることだけが休養ではありません。横になってじっとしているだけでは血液の流れが滞るからです。
もちろんまったく流れないわけではありませんが、疲れをとるには軽微な運動が必須です。
昼間、適度な運動をすると体も疲れますので、夜になると副交感神経が高まって、深い睡眠がとれるといううれしい効果もあります。
具体的にはヨガ、ストレッチ、ウォーキングなどがいいでしょう。入浴も血液の流れを良くさせるという意味では、運動タイプに分類されます。
お風呂に入ると疲れがとれることは、多くの人が実感しているでしょう。でもなぜ、お風呂に入ると疲れがとれるのでしょう。