最新記事
ワークライフバランス

「働きすぎを避けて幸せになる...」フィンランド流「5つの習慣」とワークライフバランス

The World’s Happiest Country

2024年4月26日(金)16時30分
ミイカ・マキタロ(ハッピーオアノットCEO)
トレイルランニングを楽しむ筆者 ©POPPISSUOMELA

トレイルランニングを楽しむ筆者 ©POPPISSUOMELA

<長く暗い冬も何のその、フィンランド流ライフスタイルで家庭でも職場でも皆が幸せに>

フィンランドにはこんなことわざがある。「幸せを手にした者は、それを隠さなければらない」

フィンランドが2018年から7年間「世界一幸福な国」になっている秘密は、きっとこういうフレーズにあると思う。そこで、私は誰もが最高に幸せになるフィンランド流の秘訣を探り続けてきた。

私がCEOを務めるフィンランド企業ハッピーオアノットは、顧客満足度向上ツールを開発。空港や店舗といった施設に専用機器を設置し、顧客が押すスマイリーボタンの表情で満足度を4段階で計測し、リアルタイムで企業にフィードバックする。

言っておくが「世界一幸せな国」という称号はフィンランド人が付けたわけではない。国連の「世界幸福度報告書」でフィンランドが毎年世界一に選ばれているのだ。

わが国を訪れたことのない人のために「世界一」の秘訣をいくつか説明しよう。

■自然と触れ合う

まずは大自然。「1000の湖の国」と呼ばれるだけあって、フィンランドは自然に囲まれて暮らすには理想的だ。私のようなトレイルランナー向きの未舗装の道もたくさんある。

自然との触れ合いは仕事や社会のストレス軽減に大いに役立つ。ハイキングとまではいかなくても、公園を1日5分歩くほうが35分だらだらとTikTokで動画を見るより良い。

■へこたれない

不屈の意志もフィンランド人の充足感に大いに貢献している。フィンランドの気候は時に過酷で、冬は雪と北極圏の身を刺すような風のせいで長く暗い。なぜ私たちの祖先はこんな所にとどまったのか。彼らが定住を決意したのは雲一つない夏の日だったに違いない。

それでも我慢できるのは「シス」のおかげだ。シスは恐らくフィンランド流の考え方の中で最も有名で、決意や勇気や意志の強さなどを表す。逆境にもめげずに限界まで頑張る能力と言ってもいい。

■職場での信頼関係

その一方で、フィンランド人はいつまでもくよくよしないことで得をしている面もあると思う。フィンランド社会は信頼を非常に重視する。

その一例がフレキシブルな働き方だ。社員は私がCEOの職責を果たすと信頼し、私も社員を信頼して彼らのやり方に任せている。

管理職はどうすればチームのメンバーの能力を最大限引き出せるかを考えるようにするといい。そうすることで、私も社員もほかの人間が何をしているかをいちいち気にしていない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英財務相、26日に所得税率引き上げ示さず 財政見通

ビジネス

ユーロ圏、第3四半期GDP改定は速報と変わらず 9

ワールド

ロシア黒海主要港にウクライナ攻撃、石油輸出停止 世

ワールド

中国人宇宙飛行士、地球に無事帰還 宇宙ごみ衝突で遅
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 5
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 6
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 7
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 10
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中