最新記事
食育

「見た目重視」ばかりの食事は好ましくない...「飲食店テロ」の原因にも?

2024年4月25日(木)11時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

しかし、見た目を重視し過ぎるあまり食品添加物の多い色鮮やかな食材を選んだり、使える食材が制限されたりして、栄養が偏る可能性もあります。

また元の食材の形が消え、子どもがいったい何を食べているかわからなくなること、細かい手作業をし過ぎると細菌が繁殖し食中毒のリスクが上がることもあり、子どもへの食育面からは必ずしも好ましいとは言えないでしょう。

もしキャラ弁制作の主目的がSNSへの投稿であれば、飲食店での迷惑行為をそのまま家庭に持ち込むことにもなり、子どもの食環境に望ましくはないものと言えます。

SNSは長い人類史においてほんの最近出現したものですが、すでに幅広い分野にさまざまな影響を及ぼしています。

食の領域も例外ではなく、ここで扱った飲食店へのテロ行為もSNSがなければ起きていなかったかもしれません。すでに本来の食の意義や楽しみから逸脱し、食への冒涜行為にもなっているのです。

宮口幸治(みやぐち・こうじ)
児童精神科医・医学博士。立命館大学総合心理学部・大学院人間科学研究科教授。京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務し、2016年より現職。医学博士、子どものこころ専門医。一般社団法人日本COG-TR学会代表理事。著書に『ケーキの切れない非行少年たち』『どうしても頑張れない人たち』(いずれも新潮新書)、『境界知能の子どもたち』(SB新書)などがある。


newsweekjp_20240422074854.png


『児童精神科医が教える こころが育つ! 子どもの食事』
 宮口幸治[著]
 CCCメディアハウス[刊]
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

印南部ナイトクラブ火災、当局が原因調査命令 犠牲者

ワールド

ベセント米財務長官、大豆農場の売却明かす 倫理協定

ワールド

ゼレンスキー氏、和平めぐる米との協議「建設的だが容

ワールド

米USTR代表、中国の貿易合意履行「正しい方向」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中