腰痛リスクを低減できる「正しい座り方」とは? 「背もたれに寄りかかる」のがNGとは限らない
適度に寝返りを打てる姿勢が「正解」
本書の第1章では「使いすぎた腰は睡眠で回復させる」ことが必要であると説明しています。
質の高い睡眠を取ってからだをしっかり回復させるために私が唯一、重視している動作がきちんと「寝返り」が打てるかどうか。適度に寝返りを打ちながら眠れていれば、それは「正解」です。
近頃、快適に睡眠を取るためのさまざまな寝具が販売されていますが、どんなにいい枕やマットレスを使っていようとも、同じ体勢で何時間も寝続ければ、そのうち腰が痛くなります。図表4のように、理想的な姿勢で寝続けることはできないのです。
出所=『読んで防ぐ腰痛の本』
腰に負担をかけないようにするためには、寝ている時も適度にからだを動かす必要があるのですが、なかには「腰が痛くて寝返りが打てない」という人もいます。寝返りが打てないのは、だいたいが腰まわりの筋肉がかたくなっているせいです。
寝返りが打てないからといって新たに寝具を買い替えるよりも(どのみち、寝返りは打てないでしょうから)、毎日少しずつでいいので、寝た状態でからだをコロコロと左右に動かしましょう。からだを動かして筋肉をほぐすほうが、よっぽど腰痛対策になります。
ちなみに、極端にやわらかすぎたりかたすぎたりする寝具は背骨に影響するので、できれば避けたほうがいいということはお伝えしておきます。
熊田祐貴(くまだ・ゆうき)
柔道整復師、鍼灸師、花園駅前鍼灸整骨院院長
2013年、京都で花園駅前鍼灸整骨院を開業。たった1回で、つらい腰痛を治す施術は口コミで広がり、『女性自身』で「神の手をもつ治療院」として取材を受ける。リピート率は90%以上を誇り、高度な治療技術は、全国からプロの整体師が学びに来ている。ライフワークは、日本人の痛みの概念を変えること。生活習慣や日常生活による「痛みの根本原因」に日本人が意識を向けられるよう、講演会やセミナー、各マスコミにて意識改革に取り組んでいる。