「ごめんなさい」を上手に言える...謝れる子供になる6つのステップ
I’M SORRY I DID THAT
トイレの近くということは、トイレに急いで向かったけれど間に合わなかったのだろう。そんなジャック自身にはどうしようもなかった事態について、償いをしようとしている点もとてもかわいらしい。
アイスクリームの商品券を買ったり、謝罪の手紙を書くことを思いついたのがジャック本人ではなく親だったとしても、それは問題ではない。書いたのは本人なのだから。手紙は明らかにジャック自身の言葉で書かれている。こうした状況に見事に対応した親に拍手を送りたい。どこでも起こり得ることではあるけれど、他人の吐しゃ物を片付けるのは気持ちのいいものではない。商品券で気持ちを伝えるのはいいことだし、謝罪は必要だ。
ライリーやジャックのように謝罪の上手な子供を育てられる大人になるにはどうしたらいいのだろう。そして、「いい謝罪」を尊ぶ文化をつくり上げる一助となるにはどうしたらいいのか。
子供たちに謝罪の仕方を教える際に念頭に置かなければならないのは、謝罪とは本来、楽しい行為ではないということだ(あなたが忘れてしまっていたとしても、子供たちが思い出させてくれるだろう)。
子供にとって嫌なことはいろいろあるけれど、謝る行為をその1つにしてはならない。謝罪することと、叱ったり罰を与えることとは切り離して扱おう。そして謝ったら褒めてあげよう。たとえ、大人に指示されていやいや謝ったのだとしてもだ。
子供には「大人でもきちんと謝れない人はいるのに、君はちゃんとできたね」と話してあげよう。「謝罪はその人の強さを示す行為だから、君は強い子だね」と言ってあげよう。そして「謝るのがどんなに難しいかはよく分かるよ、パパやママにとってもそうだから」と伝えよう。
しばらくたってから、自分がなかなか謝れなかった体験を子供に話してやるのもいい。「ケニーが悪いんだもん!」と言い張って自分の非を認めなかった子供時代の体験でもいい。会社の会議で同僚のジョーダンが実にくだらない発言をしたのに対し、「こいつ何バカなこと言ってるんだ?」と表情に出してしまったときの話でもいいだろう。それに気付いたジョーダンにとがめられて、思わず「そんな顔してませんよ」と言ってしまったけれど、本当は後で本人と2人きりで話して謝るべきだったね......など。