悪癖の原因は「意志の弱さ」ではない──脳の仕組みを知って悪習慣ループを脱出せよ
HOW TO BREAK THE HABIT LOOP
別の習慣に「置き換える」
現実的な目標を設定するのも有効だ。達成しやすく、その行為によるメリットを味わいやすい。こうした報酬が得られれば、習慣を継続しやすく、無意識化しやすい。
一方、ペンシルベニア大学のミルクマンは習慣化の初期段階で「誘惑の抱き合わせ」を推奨する。習慣にしたい行動と自分の好きな物事をセットにする方法だ。ジムでエアロバイクをこぐときに映画を見る(ふだん劇場へ足を運ぶ時間のない人におすすめ)、ジョギング中にオーディオブックを聴くなどだ。
つまり、本来なら無意識のうちに形成される習慣を、意識的に形成しようとするアプローチだ。この場合、まず何らかのキューを見つけ、それに好ましい行動を抱き合わせ、「ご褒美」を与える。これを繰り返せば習慣のループが強化されるわけだ。
バークマンによれば、こうした手法は「悪しき習慣」を変える場合にも使える。ひたすら年来の悪習を断とうとする禁欲的なアプローチよりも、古い習慣を別な習慣に置き換えるほうがずっと簡単だからだ。バークマンは、ロシアの文豪ドストエフスキーのこんな名言を教えてくれた。「ホッキョクグマのことは考えない、というタスクを自分に課してみるといい。たちまち脳裏に、恐怖のシロクマが1分ごとに出現するだろう」(この文章に触発された有名な社会心理学の実験がある。結果は──シロクマのことを考えるなと言われた被験者は、そうでない被験者よりもはるかに多く、シロクマのことを考えてしまったという)。
「私たちの脳に忘却という機能はない」とバークマンは言う。「コンピューターと違って、データを消去することはできない。記憶から消そうとすればするほど考えてしまう」
だから別なアプローチが必要になる。「習慣を変えたいなら」とバークマンは言う。「少なくとも最初のうちは、ギアを入れ替える必要がある」。つまり、シロクマの代わりにパンダのことを考えるとか。
2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員