最新記事

自己啓発

卵を割らずに3階から落とす方法は? 「問題解決力」が隠されたひろゆきの解答

2022年12月11日(日)11時45分
ひろゆき(2ちゃんねる創設者) *PRESIDENT Onlineからの転載

みんなが満足する解決策はない

解決策を考えるときに、多くの人は、「みんなが満足する解決策」を考えようとします。

でも、残念ながら、世の中の大半の問題には、すべての人が満足する解決策はありません。ほとんどの問題は、これまでに頭のいい人たちがあれこれ考えたりしているので、誰も損をしない解決法があれば、すでに実現しているはずなんです。

だから、解決策を考えるときには、「誰かは損するけど、こういうかたちでやったら、もう少しうまくいく」とか、「ある程度のマイナスを許容してプラスにする」という方法しか、たいてい残っていません。

なので、「国民全員やすべての利害関係者とか、みんなが満足する解決策は基本的にもうないよね」という前提を、まず受け入れるところから考えたほうが近道だと思います。

もちろん、誰にもメリットがない解決策だと問題解決にはなりません。なので、解決策を考えるときには、まず「みんな」ではなく「誰にメリットがあるかたちがいいのか」を最初にはっきりさせることが大事です。

最適解を選んでも誰かが損をする

では、ビジネスの問題解決の場合は、誰のメリットを考えればいいのでしょうか?

答えはシンプルで、「決定権を持っている人」です。

僕は初めて仕事をする相手には、必ず「この仕事は誰がOKを出したら進むのですか?」と聞くようにしています。決定権を持っていない人の意図に合わせて、いくらクオリティの高いものを提案しても意味がないですからね。なので、最初に決裁者がどんな意図や目的でやりたいのかを明確にさせます。

たとえば、ある人が自ら会社を立ち上げて、たとえ赤字になっても成功するまでやり続けると決めたプロジェクトがあるとします。

ふつうなら利益の最大化が会社にとってのメリットなのですが、この場合、利益よりも社長の「このプロジェクトを成功させたい」という思いのほうが重要なんですよね。だとしたら、たとえ万年赤字であってもプロジェクトを続けることこそが正解になるんです。

というわけで、解決策を考えるときには、最初に「誰にとってのメリット」が求められているのかを確定させます。「誰にとって」の「誰」は自分の場合もありますし、お客や上司、奥さんの場合もあるでしょう。

一方で、ターゲットを絞ると、導き出した解決策に不満を持つ人も出てきます。でも、みんなが満足する解決策はないので、そこはもう割り切るしかありません。

たとえターゲット以外の人たちが納得しなかったり、マイナスを被(こうむ)る解決策であっても、ターゲットが納得しているのであれば、それが最適解だと思います。

間違いでなければ、ずるい方法でもOK

ここで、みなさんに質問があります。

あなたが何か問題に直面していて、解決案を探しているとします。そんなときに、ルールを破ることにはならないけれど、モラル的にはグレーゾーンな解決策を思いついた場合、みなさんならどうしますか?

 ・問題を解決できるなら、人に「ずるい」と言われても仕方ない
 ・道徳に反するなら別の解決策を考える

意見が分かれるところだと思うのですが、僕の考えはこうです。

「被害がないのなら、ずるい手もアリ」

問題解決において「ずるい手」をアリとするか、ナシとするかで、選択肢の幅はかなり違ってきます。そして、問題解決においては、ずるい手も含めて考えられる人のほうが、正解のない問題を解くのは得意だったりします。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

存立危機事態巡る高市首相発言、従来の政府見解維持=

ビジネス

ECBの政策「良好な状態」=オランダ・アイルランド

ビジネス

米個人所得、年末商戦前にインフレが伸びを圧迫=調査

ビジネス

オランダ中銀総裁、EU予算の重点見直し提言 未来の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 6
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中