最新記事

ヘルス

「タンパク質ダイエットには腸活が欠かせない」 順天堂大・小林教授が毎朝実践する4つの習慣

2022年7月2日(土)18時20分
小林弘幸(順天堂大学医学部教授) *PRESIDENT Onlineからの転載

16歳のころ(左)と現在(右)の小林弘幸教授

16歳のころ(左)と現在(右)の小林弘幸教授 写真(左)=筆者提供、写真(右)=川しまゆうこ


こうした理由から、私は様々な書籍や雑誌で「腸活ダイエット」や「便活ダイエット」をおすすめしてきました。腸活で善玉菌を増やして腸内環境を改善することで、血液の質がよくなり、エネルギー効率のよいやせやすい体が手に入るからです。たんぱく質を十分に摂りつつ、腸内環境を良好に保つには、積極的に食物繊維と発酵食品を摂ることが大切です。

食物繊維は善玉菌のエサになるため、たんぱく質で悪玉菌優勢になりがちな腸内環境を整えてくれます。また、腸を刺激してぜんどう運動を促してくれるので、便秘の予防や解消にも有効です。

ただし、摂り方を間違えると便秘を悪化させる場合もあるので、後述する摂り方のコツをしっかり理解してください。また腸内細菌の生態系には、できるだけ多くの細菌が活発であることが理想であり、多様性を保つことが重要です。発酵食品は、菌を元気にして腸内細菌の多様性を維持してくれる腸活に欠かせない食材です。

おすすめは、ヨーグルトや納豆、みそなど発酵性のたんぱく質食材。たんぱく質を摂りながら、腸活も同時にできるのでダイエッターにとって一石二鳥の優秀食材です。

腸活の効果を最大限に高める「4ステップ」

地球上のほとんどの生物には、自然界の昼夜に適応した「生体リズム」が備わっています。

食事や運動、排泄、睡眠といった人間の営みにも、それぞれに適した時間帯があり、リズムに合わせて生活することが健康の秘訣(ひけつ)です。その中でも、腸活は「朝」が最適。そこで腸活の効果を最大限に高める朝の4ステップをご紹介します。

ひとつ目は、起床後にコップ1杯の水を飲むこと。胃に送られた水分の重みで、寝ている間にお休みしていた腸が刺激され、ぜんどう運動が促されて便通が起こります。

ふたつ目は、決まった時間に朝食を食べること。朝食は、生体リズムを調整する「体内時計」のズレをリセットし、腸の働きに深く関わる自律神経のバランスを整えます。

私がいつもおすすめしている朝食メニューのひとつに、たんぱく質と一緒に食物繊維が摂れる「大根おろし&ヨーグルト」があります。たんぱく源で発酵食品であるヨーグルトと一緒に、便通に最適な水溶性食物繊維が豊富な大根おろしを食べれば、最高の腸活になります。味付けに蜂蜜をかけると、善玉菌のエサになるオリゴ糖も摂れるのでより効果的。味もさっぱりとしていて食べやすいので、ぜひ試してみてください。

TBS系列のテレビ番組「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」で、腸活ダイエットメニューとして紹介した際も評判になりました。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

任天堂、「スイッチ2」を6月5日に発売

ビジネス

米ADP民間雇用、3月15.5万人増に加速 予想上

ワールド

脅迫で判事を警察保護下に、ルペン氏有罪裁判 大統領

ビジネス

貿易分断で世界成長抑制とインフレ高進の恐れ=シュナ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中