腹筋は100回より10回のほうがいい 正しい筋トレの3大原則は「過負荷」「漸進性」「継続性」
筋肉痛が起きなくても筋力アップや筋肥大は起きる
A.筋肉痛と筋トレの効果は関係ない
B.筋肉痛が起きていなければ負荷を見直すべき
→筋肉痛が起きなければ筋トレの効果がないわけではありません(正解はA)
筋肉痛はどうして起こるのか。実は、筋肉痛のメカニズムはまだすべてが解明されていません。近年、有力視されているのが、体を動かすことでできる筋線維の傷が原因だという説です。筋線維に傷ができるほど筋肉を使ったわけですから、しっかりと追い込めた一つの証拠にはなるわけですが、筋肉痛が起きなければ追い込めていないかというと、そんなことはありません。筋トレ後に筋肉痛が全くないという人でも、筋力アップや筋肥大は起こります。
それなら筋肉痛なんてなければいいのに、なんて思うかもしれませんが、筋肉痛は筋トレフォームの改善や、負荷の目安に活用することができます。
たとえば、ベンチプレスや腕立て伏せで大胸筋をメインに鍛えたとしましょう。もし、片側の胸にだけ筋肉痛が出たり、胸ではなく肩や腰に筋肉痛が出たりしたのなら、それは誤ったフォームが原因かもしれません。ベンチプレスならバーを握る位置や、ベンチに寝ている姿勢、腕立て伏せなら手を置く位置などを見直してみましょう。
「年をとると筋肉痛が出にくい」は都市伝説
筋トレの後、1週間も筋肉痛が抜けないなどという場合は、負荷が大き過ぎる可能性があります。いつも必ず筋肉痛が起きていたのに、しばらく筋肉痛にならないという場合は、負荷を上げてみてもいいかもしれません。
部活の話からはそれてしまいますが「年をとると筋肉痛が出るのが遅くなる」というのは、都市伝説のようなもので、全く根拠がありません。若い人はすぐに筋肉痛が起きて、高齢になると筋肉痛のタイミングが遅れてくるというのは事実無根なのです。
しかし、高齢になると疲労からの回復、筋肉痛からの回復が遅くなるということはあります。
筋肉痛が起きたら運動をしてはいけない、ということはありませんが、パフォーマンスの低下に繋がってしまうので、試合前に筋肉痛が起こるまで体を追い込むのは避けるべきでしょう。
中野 ジェームズ 修一(なかの・じぇーむず・しゅういち)
フィジカルトレーナー
1971年、長野県生まれ。フィジカルを強化することで競技力向上や怪我予防、ロコモティブシンドローム・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。卓球の福原愛選手やバドミントンのフジカキペアのほか、2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。著書に『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP社)、『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ』シリーズ、『定年後が180度変わる 大人の運動』『医師も薦める 子どもの運動』(すべて徳間書店)など多数。