こんな人と一緒に働いたら絶対ダメ 人間関係を破壊する人に共通する「4つの毒」
*写真はイメージです Masafumi_Nakanishi - iStockphoto
心理的安全性の高い職場を作るためにはどうすればいいのか。心理学者の松村亜里さんは「心理的安全性をつくるには、人間関係を壊す『批判』『侮辱』『自己弁護』『逃避』という4つの毒を減らす必要がある」という――。
母親は「子育てスキル」と「つながり」のどちらを優先すべきか
まずは、心理的安全性を高めるためのベースとなる、一番大切な基本的欲求、〈関係性〉についてお話ししていきましょう。
心理的安全性の定義――たとえ対人的なリスクをとっても、このチームは安全であるという共通の認識を、メンバーが持っていること――を思い返してみても、関係性がその要となっていることがわかりますね。
よい関係性がつくれれば、心理的安全性はグッと高まります。
そこで、いきなりですが、あなたに質問です。
あなたは、お母さんが子育てに関する最強の情報やスキルを持っているのと、質のよいつながりがあるのとでは、どちらが幸せに大きく影響すると思いますか?
「いくら関係性の話をするからって、それはやっぱり情報やスキルでしょう」
という声が聞こえてきそうですね。私も、これは子育てで最初に陥ったワナでした。
実は、答えは「質のよいつながり」。子育ての研究では、いくら多くの情報や最強の子育てスキルを持っていても、1人で頑張っていたのでは、精神的にも肉体的にも限界があることがわかっています。
パートナーや親、友だち、コミュニティのメンバーなどとよいつながりがあって、子育てについて相談し合ったり、助け合ったりできたら、もっと幸せに子育てができるのです。そのくらい、人との関係性は大事なことなのですね。
母親を亡くした猿の赤ちゃんが求めたもの
「質のよいつながり」と「質のよい情報やスキル」の両方がなければ、人はよい方向へ変化することはできない――これは、私が長年教育現場で心理学を教え、カウンセリングをしてきた中で、行き着いた結論です。
こうしたよい関係性は、幸せだけでなく、挑戦と成長にもつながります。
ここで、それを実証した心理学者ハリー・ハーロウ氏の、母親を亡くした猿の赤ちゃんの実験を紹介しましょう。
この実験では、母親を亡くすと早世してしまう猿の赤ちゃんに、2つのつくり物の猿のお母さん――1つはミルク入り哺乳瓶を持った針金製、もう1つは哺乳瓶を持たないけれど温かい布製のぬいぐるみを与えました。
すると赤ちゃんは、布の母親になつき、1日の大半を檻で一緒に過ごすようになりました。
ここでは、赤ちゃんと布のお母さんのよい関係性が育まれたと言えます。
そこで今度は、針金の母親といるときと、布の母親がいるときの別々に、新しく熊のぬいぐるみを与えました。最初は猿の赤ちゃんは、どちらと一緒にいるときも、熊のぬいぐるみをとても怖がっていました。
ところがしばらくすると、針金の母親といるときは、いつまでも檻の隅にうずくまって怖がっていたのが、布の母親といるときは、初めはお母さんにすがりついていても、少しずつ、熊のぬいぐるみに興味を持って近寄るようになったのです!