最新記事
0歳からの教育

育児で赤ちゃんにイライラしたときにこそ、やるべきこと

Magic Touch

2022年2月4日(金)18時40分
岡田光津子(ライター)

抱っこは体の発達も促す

このとき、マニュアルどおりに全てやる必要はない。あくまでもできる範囲内で行うことが大事だ。

こうした触れ合いを通じて、女性は女性脳から母性脳に、男性は男性脳から父性脳に変化していく。

「男性の場合、赤ちゃんと1日3時間以上のスキンシップをすると男性ホルモンが下がり、それによって父性脳になっていく。そしてわが子をかわいく思い、優しさを持って向き合えるようになっていく」と、篠原は言う。

母親や父親としての役割を押し付けるのではなく、「互いの性質を尊重し、時には外部からのサポートも得ながら、親が楽しくできる子育てが一番望ましい」。

赤ちゃんとの触れ合いを考えたとき、抱っこも大きな影響を与えている。整体師・ベビーウェアリングアドバイザーである堀内千賀子(ウェルネスケアサロンbloom主宰)は、「親子の絆の形成はもちろん、正しい抱っこは赤ちゃんの体の発達にもよい影響を与える」と語る。

堀内が携わる日本ベビーウェアリング協会は、快適な抱っこのために次の点を推奨している。

①赤ちゃんのお尻は大人のおへそより高い位置に。重心が上がることで大人の体への負担が減り、赤ちゃんの視界が広がる。

②膝はお尻より高くM字開脚。大人にしがみつく姿勢は、股関節の健全な発達につながる。

③ピッタリ密着し背中のカーブは緩やかに。背骨からお尻にかけて「し」の字になるよう、抱っこひもでサポートして密着。少しきつく感じても保護者が深呼吸できる程度ならOK。

④赤ちゃんの手は上に。肺が広がって呼吸しやすくなり、赤ちゃんが自分の体をコントロールしやすくなる。

⑤赤ちゃんの顔が見える。これにより手足が動きやすい状態かなど、全体を確認しやすくなる。

また、「抱っこひもはサポート力と弾力のある織物性素材など、赤ちゃんの動きについてきてくれるものが適している。選ぶ際は①~⑤を参考に、赤ちゃんと親の双方に合うものを。抱っこの仕方は近くの専門家に相談し、そこで確認してもらうのが望ましい」と堀内は言う。

大人にも子供にも心地よい触れ合いの時間を重ねることで、親子の絆はより優しく強くなっていく。

0sai_2022_mook_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

ニューズウィーク日本版SPECIAL ISSUE「0歳からの教育2022」が好評発売中。3歳までにすべきこと、できること。発達のメカニズム、心と体、能力の伸ばし方を科学で読み解きます

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアがウクライナに無人機攻撃、1人死亡 エネ施設

ワールド

中国軍が東シナ海で実弾射撃訓練、空母も参加 台湾に

ビジネス

再送-EQT、日本の不動産部門責任者にKJRM幹部

ビジネス

独プラント・設備受注、2月は前年比+8% 予想外の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中